崩れた音 ページ49
_龍友side
今日は訳あってスーツで、そのまま仕事終わり。
僕もサラリーマンに見えたりするんかなあなんて。
そしたら、目の前に涙を貯めた女の子。
間違えるはずのない僕の大好きな子。
「Aちゃん?」
あの日以来会うことのなかった僕達。
彼女をみたら僕のものにしたいっていう気持ちでまみれる。
あんなキス、わすられるわけあらへん...。
『かず、はらさん、』
久しぶりに聞いた僕を呼ぶ彼女の声にどうしたん?と声をかければ
『す、すーつ必要で...』
俯いた彼女の手を取って僕達は走り出した。
身につけているもの全部をとっぱらってただ
手を握って走った。
.
スーツからAちゃんに貰ったトレーナーとダメージジーンズを履いて部屋に戻る。
すると中には仲良さげに話す亜嵐くんとAちゃんの姿。
亜嵐くん、事情知ってんのに、どんな気持ちで話してんねんやろなあ
「着替えたで。亜嵐くんいっておい」
「ありがとう!龍友くん!!」
そういってAちゃんと2人になる。
妙な緊張感が僕らを包んだ。
『数原さんがいてくれてほんとに良かった、』
この言葉を聞くのはきっと2回目。
1回目はAちゃんが襲われた時。
「Aちゃんの為ならなんでも力になるで?」
『ふふ、ありがとうございます(笑)』
「かわい、」
ふわりと笑う彼女に思わず漏れてしまった声。
『え、?』
「あ、いや、べつに...」
『数原さんはかっこいいです...』
そう小声でつぶやく彼女は本当にずるい。
『スーツ姿、初めて見た...。
すっごくかっこよかった、どうしたらいいかわかんない』
次々と零れる言葉。
彼女は僕のことどう思ってるんやろうか。
そんな疑問がひたすら僕の脳裏に張り付く。
「僕もAちゃんが可愛すぎて、
Aちゃんのことしか考えられへんくて
どうしたらええのかわからん」
お互いがお互いの気持ちを。
自分の気もちを。
知らないままに日々を過ごしていた。
『数原さんの事わかんないです』
「だよなあ、」
『でもそれ以上に私がわからない』
そういった彼女は
僕の後ろに回って
僕を優しく抱きしめた。
その時積み上げられたものが少し崩れた音がした。
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加恋(プロフ) - 大樹くん最高すぎて泣きそう (2021年1月1日 15時) (レス) id: 2e418c8a08 (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - ちーーさん» ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします! (2019年1月19日 20時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - あきさん» ありがとうございます!! (2019年1月19日 20時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちーー - 続きめちゃきになります!まってます! (2019年1月14日 0時) (レス) id: c05d53fa4c (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - つつ゛ききになります! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 14702f8eae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼 空 | 作成日時:2018年12月6日 23時