【銀魂】沖田兄弟の受難【男主】

14話 ページ16

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ザキの姿が見えなくなるまで見送った後、壁に寄りかかった総悟の姿をちらりと確認した。すやすやと聞こえてくる寝息。伏せられた瞼。幸い、俺やザキの声で目が覚めたりはしなかったみたいだ。

気持ちよさそうに寝てるとこ、起こす訳にはいかねえもんな。こいつに限ってないかもしれないが、色んなもんで疲れてるかもしんねえし。


近くで物音を立てないようにと、特に行くあても無い癖に廊下に飛び出した。






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『……げ』


最初は特に目的はなかったが、どうせなら近藤さんや終兄さんに挨拶でもしに行こうかなーと、ぼんやりと歩いていた屯所内で一番に遭遇したのは、見覚えのありすぎる黒髪の野郎だった。


「あ？お前…総也じゃねえか」


一瞬で見分け付けられたのなんか腹立つな。
まあ、それもその筈なんだが。
こいつと近藤さんとは武州の頃からのそこそこ長い付き合いだ。共に剣技の腕を磨いて成長した仲でもある。


『んだよ。なんか用か土方サン』

「いや、用っつー訳でもねえが、見知った顔があったんでね。声ぐらいかけんだろ」

『へー、あんたがねえ。随分丸くなったもんだなバラガキさん』

「…そりゃァな。総悟の変わりように比べりゃマシな方かもしれねえが」

『うちの弟と比べんのはズリィぞ』


脳裏に蘇るのは、少し前に総悟と交した会話。
タチが悪いなんて、そんな言葉で言い合ったっけかな。

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