愛に深くまで溺れ。【青】 ページ10
____異変に気付いたのは、数ヶ月のことだった。……否、それは元からおかしかったのかもしれないが。
「A、好き、大好き」
彼氏である、ころんくんの愛情表現は日に日に大きくなっていく。
それはもちろん嬉しいことだし、愛してくれているのだなとわかるからありがたいことなのだが、回数が多すぎるのだ。
ことあるごとに「好き」と伝えてくれて、夕方頃には疲れ切ってしまう。
「ありがと」
と返したときは、
「なんで?僕のこと好きじゃないの?ありがとってなに?あぁ、Aはもう僕のこと好きじゃないんだ。浮気?ねぇ、他にどんな男がいるの?」
などと矢継ぎ早に口撃してきて、説明と説得で1時間以上かかったこともあった。
彼のいちばん困るところは、それが愛ゆえというところだ。
愛さえなければ、突き放すことだってできる。
嫌でも突き放せないのは、私の弱さといったところか。
愛があるからそれができないのか、それができないから愛があるのか。
「____ねぇ、聞いてた?」
「ご、ごめん、ぼーっとしちゃって……」
眼前のころんくんは不機嫌そうに頬を膨らませ、その勢いでキスをしようとしてかるが 避ける。
ある程度は線引きしないと、私生活までめちゃくちゃになってしまう。
同棲したのが間違いだったのだろうか。
「むー、なんで避けるの」
「一日一回までね」
「小学生のゲーム事情じゃないんだからさぁ」と、またしてもキスをせがんでくるころんくんを仕方なく受け入れる。
二回以上拒むと本格的に機嫌が悪くなる。そうなってしまったらもう手が付けられなくなるので、ちょっとは甘やかしてあげることもしょうがない。
「んふ、僕すごく幸せ。A好きぃ」
「今日はデレデレだね。甘えたな日?」
「んー、そうかも」と漏らす彼。この時点でかなり危ないが、今日だけは甘々でいいのかもしれない。
「このあと、なにしよっか」
私に抱きつきながら、ころんくんは耳元で囁いた。
なんだかんだ、この関係を私が望んでいるからずっとこうなのかもしれない。
悪くはないと、そう思う。
____思案している私をそのまま押し倒した彼の笑顔は、今にも『愛』に溶かされそうで。
お互いがお互いの『愛』に溺れたまま、夜は更けていく。
ーーーーー
アイデア提供ありがとうございます!
何気にこういう感じの(病み×デレ)は初めてですがどうでしょうか。
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虹の根元付近に生息しているアイ(プロフ) - 蝉-セミ-さん» 蝉さんありがとうございます!!私の書く💛さんの良さを分かっていただけて嬉しい限りです😭これからも喜んでいただけるよう更新頑張ります!笑 (2022年10月15日 12時) (レス) id: 98cb88ece4 (このIDを非表示/違反報告)
蝉-セミ-(プロフ) - 久しぶりに占ツクにきたら短編集更新されてて嬉しかったです。やはりアイさんの書くちょっと大人っぽくて意地悪な💛くんが好きですw🤣 (2022年10月15日 1時) (レス) @page35 id: 19d8717651 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根元付近に生息しているアイ(プロフ) - わっふるのとっぴんぐさん» 返信遅くなり大変申し訳ありません!そう言っていただけて本当に嬉しいです、モチベーションになります…😭 ありがとうございます! (2022年10月12日 20時) (レス) id: 98cb88ece4 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根元付近に生息しているアイ(プロフ) - みぃなさん» 返信遅くなり大変申し訳ありません!私は後遺症もなく元気です☺️ ご心配ありがとうございます( ; ; ) (2022年10月12日 20時) (レス) id: 98cb88ece4 (このIDを非表示/違反報告)
わっふるのとっぴんぐ(プロフ) - コロナ大丈夫でしたか!?!?もうこの短編集最高すぎて…!!主さんのペースで更新がんばってください!(*´`) (2022年8月10日 17時) (レス) id: b8d201f8af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ x他1人 | 作成日時:2022年3月29日 22時