純白を汚す覚悟。【黄】 ページ39
____彼女をベッドに押し倒す。
当の彼女は驚きのあまり目を見開き、状況に理解が追いついていないようだ。
心の中で謝りつつ、キスをしようとすると、
「____まって、そういうのはまだ早いかも」
「……もう付き合って3ヶ月だよ?」
及び腰になるA。
怖い気持ちはわかるが、関係を深めるためには必要なのだ。
僕だって一端の男だし、そういう気持ちだってある。
今まではAがそういう素振りを見せなかったから泣く泣く諦めてきたが、今日は違う。
「でも私、育てられる自信ないし」
「ん?育てるって、そんな……ゴムはするよ」
妊娠前提のような彼女の話に違和感を覚え、きちんと説明した。が、
「……ゴム?ゴムってなに?」
「え?」
「え……?」
お互いに目を合わせるが、イマイチ噛み合わない。
『ゴム』の存在すら知らないのか、この子は。
「そ、そういう行為って赤ちゃんのためにするんじゃないの?だから時期尚早かなって」
「うーん……そういう側面もあるんだけどね、あるんだけど」
思わず頭を抱える。
学校で習わなかったのか。
でも、1から説明するのも小っ恥ずかしいし。
「時期尚早、ね。そうかも。今日は寝よっか」
無知を汚すのも躊躇われる。
彼女の心構えがしっかりするのを待つことにしよう。これからも末永くお付き合いしていきたいから、ここで無理にするのはよろしくない。
不完全燃焼感は否めないし、本当はAともっと密に愛し合いたかった。僕は『普通』が欲しかっただけなのに。
彼女の横に寝転び、目を閉じようとすると____、
「ま、まって」
「どしたの?」
「あの、その……」
上から降ってくる声に驚き、目を開けるとAに押し倒されていた。
押し倒すといっても元々寝ていたので 上に被さっているだけだが。
「____いいよ」
「なにが?」
「えっと、ちょっと怖いけど……しても、いいよ。るぅとくんのためなら、できるから」
彼女は必死だった。焦っているようにも見えた。
きっと嫌われたくないのだろう。
それは甘美な誘いで、彼女の可愛さも相まって 一端の男ならすぐにでも抱きたくなるくらい魅力的なものだ。それは僕も例外ではない。
「A」
「普通はするんなら、私も普通がいいから。手順とかわからないけれど、リードしてくれる……?」
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虹の根元付近に生息しているアイ(プロフ) - 蝉-セミ-さん» 蝉さんありがとうございます!!私の書く💛さんの良さを分かっていただけて嬉しい限りです😭これからも喜んでいただけるよう更新頑張ります!笑 (2022年10月15日 12時) (レス) id: 98cb88ece4 (このIDを非表示/違反報告)
蝉-セミ-(プロフ) - 久しぶりに占ツクにきたら短編集更新されてて嬉しかったです。やはりアイさんの書くちょっと大人っぽくて意地悪な💛くんが好きですw🤣 (2022年10月15日 1時) (レス) @page35 id: 19d8717651 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根元付近に生息しているアイ(プロフ) - わっふるのとっぴんぐさん» 返信遅くなり大変申し訳ありません!そう言っていただけて本当に嬉しいです、モチベーションになります…😭 ありがとうございます! (2022年10月12日 20時) (レス) id: 98cb88ece4 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根元付近に生息しているアイ(プロフ) - みぃなさん» 返信遅くなり大変申し訳ありません!私は後遺症もなく元気です☺️ ご心配ありがとうございます( ; ; ) (2022年10月12日 20時) (レス) id: 98cb88ece4 (このIDを非表示/違反報告)
わっふるのとっぴんぐ(プロフ) - コロナ大丈夫でしたか!?!?もうこの短編集最高すぎて…!!主さんのペースで更新がんばってください!(*´`) (2022年8月10日 17時) (レス) id: b8d201f8af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ x他1人 | 作成日時:2022年3月29日 22時