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｢な、なんのために……｣
鼓動が速くなり、自然と服を抱く力も強くなる。
シワついちゃうかな、なんて悠長なことは言っていられない。
｢もしかして、イタズラ……？！｣
イタズラというひとつの答えにたどり着いたとき、これだ！ と思った。
そうだ、呼んでおいでここにいないなんて、ただのイタズラじゃないか。
だったら閉じ込められないうちに帰ろうかな____
｢ばぁー！！！｣
｢んわぁ？！｣
あまりの驚きに目眩を錯覚……否、本当によろめいたのだが。
……クロゼットから王子様が出てきたのだ。
｢____びっくりした？｣
｢も、もう、ほんとにやめてください……｣
呼吸を整えながら彼を睨みつけるが、のらりくらりと躱されるだけ。
｢まぁ、ちゃんと来てくれて良かったです。説明するのでそこに座っていてください｣
彼が指さした場所には、小さな机と椅子が。
言われた通りに座ると、その目の前のベッドに王子様は腰を下ろした。
｢____えっとですね、今日からここの部屋で合計六週間過ごしてもらいます。あ、ずっと箱詰め状態ってわけじゃないんですが……基本はってことです｣
彼は足をブラブラさせながら説明するが、例のごとく私には伝わらない。
目でその先を求めると、彼は満足気な笑みを浮かべ続けた。
｢その辺は適当に息抜きしてもらって……さて、核心ですが これからこの部屋で、僕含め六人で一週間ずつ、合計六週間過ごしてもらいます｣
｢____はい？｣
幻聴だ。これはきっと幻聴。
そう信じ込むことにする。
｢現実逃避しているようですが、もう決まったことなんですよ、僕の中で。ここで決めたいのは いつから と 誰から なんですけど……｣
まだ自分の中でしか決まっていない発言を緊迫状態の私が聞き逃すわけもなく、脳がフル回転する。
｢待ってください、当の本人である私になんの承諾もなしに話を進めないでください｣
｢あれ、そんなに強い口調でご主人様に向かって吠えていいんですか？……なんて言いたくないので言っておきますが、これはAのためなんです｣
君のため、なんて耳障りのいい言葉を並べる王子様が今は信用できない。
そんな言葉を使う人間が、信用できたためしがないのだから。
｢信じてないようですが本当ですよ。一週間も同じ部屋にいれば将来像も見えてくるじゃないですか。僕だけ一ヶ月とかでもいいんですけど……それは平等じゃない｣
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虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» こちらのほうでもコメントありがとうございます(T T) 以前もらった泡糖さんのコメントが本当に嬉しく、今でも活力になっているので またコメントくださって嬉しいです💕 これからも更新頑張ります！ (2022年3月4日 21時) (
レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡糖(プロフ) - 更新ありがとうございます！今回も読んでいて楽しかったです！ (2022年3月4日 21時) (レス) id: eaad00c70c (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん 本当にいつもコメントありがとうございます✨ 大丈夫ですよ！笑 あれは完全にゴキブリを意識してます、気づいていただけて嬉しいです……笑 (2022年2月10日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - カサカサ…でゴキブリだと思ってしまった私は末期ですね(遠い目) (2022年2月10日 0時) (レス) @page25 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん いつもありがとうございます！！ 切り方もお誉めもいただき光栄です……ありがとうございます(T T) 今後の展開に乞うご期待です！笑 (2022年1月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時：2022年1月13日 18時
