早咲きさくら__(red)

#8 ページ8

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『おばちゃんとお前ってめっちゃ似てんねや。』

「似てる…？」

『自己犠牲が過ぎて意味わからんくらい優しいところ。』

「…っ。」

『せやからおばちゃんみたいに、出来るやろ。』



俺自称お前の兄ちゃんやった頃の自分が嫌いや。

ただ兄ちゃんごっこしてAが懐いてくれてんの楽しんでただけ。

まるでペットか従順な部下を手に入れたかのような、そんな楽しさを味わってただけ。

今までAのために何もしてあげられんかった。

こんな俺をAは今でもすぅ兄すぅ兄って呼んでくれるのにな。

俺、"すぅ兄"やり直すわ。

偽善とか自己満って思われても構わへんし。

今からでも遅くないなら兄ちゃんをやり直す。



_____すばる、たまにでいいからAとご飯にでも行ってあげて。
A、すばるには甘えられるみたいやからさ。
おばちゃんからお願いするわ。



『もし子育て上手くいかんかったら産めって言ってもうた俺の責任やねんから、俺のことボッコボコにしてコンクリ詰めにして大阪湾にでも沈めてくれ。』

「…冗談やめてや。」

『それでも足りひんならキノコ食わせてもええで。』

「キノコ未だに食われへんの？」

『当たり前やろボケ。』



責任取るなんて軽々しい言葉やけどこれ以外の言葉は持ってへんし。

Aが産むっていう責任に恐れるなら、その産むっていう責任は俺が貰う。

子どもがこんなところに生まれたくなかったって泣く日がくるとしたら、責められるべきは俺で、Aちゃうから。

死ぬほど重くて死んだ方がマシならくらい重い責任なんやろうけど、俺が担ぐ。

産まされた、くらいに思っとけ。

今はただアホみたいにその腹ん中の子との幸せだけを願っとけ。



『俺のために、産んでくれ。』

「…っ。」

『俺の姪っ子か甥っ子、会わせてくれ。
んで、一緒に守らせてくれ。』






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