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「…すぅにい?」
『やっぱしAやん。ちょ、大丈夫か?』
振り返ったその顔はやっぱり馴染みのある顔で。
けど再会の驚きよりも久しぶりに見るその顔の青白さに対しての驚きの方が大きい。
「あ…うん、新幹線に酔っただけ。」
グルングルンのジェットコースターを何回乗っても平気なくらい まったく乗り物酔いとかせえへんようなやつ。
そんなやつがほとんど揺れへん新幹線で乗り物酔いてめちゃくちゃ違和感を感じるけれど、本人がそう言うならそれが事実なのか。
『とりあえずあっこのベンチ行こ。動けるか?』
「あ、大丈夫…。」
『行くぞ。』
支えながら少し離れた所にあるベンチに座らせる。
俺の細い腕で精一杯なくらいに体重がかけられて、あと少し見つけるのが遅かったら頭から駅の冷たいコンクリ床に打ち付けてるよな…とゾワゾワきた。
『なんか飲むか?』
「大丈夫、ごめん…。」
頭悪いから何もできひんしとりあえずその背中を撫でてやる。
前に会った時よりも少し痩せたような気もするな。
まぁ前に会ったのは2年くらい前でそりゃあお互い色々と変化はあるやろうけど。
「…ふうぅ。」
『便所いくか?』
「大丈夫…。もう落ち着いてきたから。」
『そぉか。』
「…すぅ兄こんなとこにいて平気?」
『何を気にしとんねん。
バレへんしバレても隠すことちゃうし。』
顔色を見る限りさっきよりもマシになってきたし、人のこと考える余裕も出てきたんかなって少し安心する。
「あなた大丈夫?」
そこで不意に声をかけてきたのは、俺らの隣に座っとった紙袋めっちゃ持ってる知らんおばちゃん。
そのお節介な声になんとなく安心した。
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凛(プロフ) - 更新ありがとうございます (2020年6月7日 15時) (レス) id: fb6d980ce6 (このIDを非表示/違反報告)
みぉ(プロフ) - みけねこさん» コメントいつもありがとうございます!よろしくお願いいたします! (2020年6月3日 11時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
みぉ(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます!よろしくお願い致します! (2020年6月3日 11時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - お話、ありがとうございます!私も更新を楽しみに待ってます。 (2020年6月3日 5時) (レス) id: 177d327f15 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - スピンオフ待っましたよ。更新楽しみにしてます。 (2020年6月3日 0時) (レス) id: fb6d980ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みぉ | 作成日時:2020年6月2日 23時