今日も、これからも。【2BRO.】 (ページ30)

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何も知らないページ30

弟｢...でもね、人気になったおかげで先行プレイとかβ版ができたり、いろんな人たちとも繋がれるようになったからいい事もたくさんあったんだよ。だからこれはこれで俺はいいと思うんだ｣

そう言うと、パッと笑顔に戻りまたカレーを食べ始める弟者さん。

果たしてそれは本心なのか、建前なのか。
実況者としても人としても、まだ何も知らない私にはかける言葉は見つからない。

兄｢でもまぁ、楽しくゲームするだけなら動画撮らなくてもいいわけだから。なーおっつん？｣

お｢そうです。攻略と実況は必ずしもイコールじゃないんです。それに動画上げるようになったから僕は君たちと出会えたわけですから、もうそれはすごいことでしょう｣

その場を明るくしようと兄者さんとおついちさんもポジティブな方へ話題を持っていってくれている。

心には引っかかりみたいなものは残っていたが、彼らの善意を踏みにじらないためにもそれ以上深く追求することはやめておいた。

＊

ご飯も食べ終わり、弟者さんと兄者さんが部屋に戻った後。

洗い物をしているおついちさんの元へそっと寄って話しかけた。

『あの』

お｢ん、どした？｣

『いや、あの、さっきはなんか何も考えずに余計なこと言って困らせちゃったかなって思って...』

お｢あー、弟者の？｣

『そうです。何も知らないのに、変なこと言っちゃってすみませんでした』

私が謝ると、手を振って笑うおついちさん。

お｢全然いいのよ～。俺たちだって見てくれる人が増えるのは嬉しいし、モチベーションも上がるし。...ただ最初はほとんど裏方だった兄者はともかく、弟者は自分が楽しくゲームするのが好きだって投稿始めたから、どうしても葛藤する部分があるんだろうね｣

『投稿始めたのは弟者さんなんですか？』

お｢らしいよ。兄者は最初は動画の編集とか、そういうのだけやってたみたい。でもほら、弟があれでしょ？元々兄者もゲーム好きだったみたいだから弟者の影響受けちゃったんでしょうね(笑)｣

『へぇえ...おついちさんは？』

お｢僕？僕は...元から自分のチャンネル持ってて、そんで弟者と知り合って兄者紹介されて2BRO.に勧誘されて今に至るってカンジ？｣

『最初から3人でやってたわけじゃないんですね』

お｢そうよー。だから気にしなくていいの。Aちゃんもこれから知っていけばいいんだから、ね？｣

優しく頭を撫でられてくすぐったく感じる。

さり気なく気遣えるおついちさんって大人だな。