81話 ページ44
『お待たせ』
黒島君とコートに戻り、私は征に声をかけた。
ボーとしていたのか声をかけると一瞬驚いたような顔をしてこちらを見てきた。
「いや、大丈夫だよ。
…何をしていたんだ？」
『告白された』
なんて言えるわけもなく、私は少し黙ったあと、口を開いた。
『バスケの話』
そう言うと、征は首をかしげた。
「？
バスケの話ならそんな移動しなくてもいいんじゃないか？」
失敗した。
顔に出ないように無表情をキープする。
また嘘を吐こうとすると、今度は黒島君が話始めた。
「バスケのコツを教えてほしくてさ。
赤司君に教えてもらうなんて俺のプライドが…w」
嘘つくのうまいな、なんて思ってみたり。
いや、感心してる場合じゃない。
『そういうこと』
私が最後にそう言うと、征は無理矢理笑ったような顔をして、
「そうか…」
と言った。
やっぱり本当のこと言った方がよかったかな。
嘘ついてごめんね。
心で謝りながら、私は黒島君の方を向いて言った。
『今、征と遊んでるから用がないならもういいかな』
「あー…
了解！またなー！」
黒島君と居ると征がなんだか辛そうに見えるから。
黒島君は手をふりながら、コートを出ていった。
「ごめんね、せ、わ！」
いきなり腕を後ろから引っ張られ、後ろを向くがバランスを崩して転ぶ。
そのまま、征に抱きつかれた。
征に寄りかかる状態。
人が通るかもしれない道。
近づいてくる自転車の音。
いつもこうされるのは家とかだったからこうして外でされると、ものすごくドキドキする。
誰かに見られるかも。
そんなことを思いながら口を開く。
『あ、あの、征、どうしたの…？』
聞いても返事はなく、代わりに抱きしめる力が強くなる。
私の肩に征は頭をのせた。
私はポンポンと征の頭を撫でる。
どうしたんだろう。
そう思うのは、やっぱり私は子供で何も分かっていないから。
どんなに辛いことを乗り越えてもやっぱり子供は子供で。
「僕の家に帰ろう。
…家でもこうしてていいかい？」
抱きしめる手を離し、征は私の顔を見て聞く。
『無理』なんて、そんな顔で言われたら言えないよ。
『うん。いいよ』
私たちは立ち上がり、征は私に手を伸ばした。
私はその手を握る。
パシャ
それを撮られているとも知らずに。
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Ai - 莉弥さん» ありがとうございます！！良き作品なんて…(ﾟﾛﾟ)更新頑張ります！ (2016年10月14日 7時) (
レス) id: 4b0ec96593 (このIDを非表示/違反報告)
莉弥(プロフ) - ﾊｧｯ…何て良き作品…(泣)
更新まってます！！ (2016年10月14日 1時) (携帯から) (レス) id: aa7d841247 (このIDを非表示/違反報告)
Ai - 明日香さん» コメントありがとうございます！！なるべく早く更新しますね！更新頑張ります！！ (2016年9月10日 21時) (レス) id: ca0ec5f260 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - とても面白かったです♪続きが気になります。更新頑張って下さい_(._.)_応援してます(^-^ゞ (2016年9月10日 19時) (レス) id: a56b4ade72 (このIDを非表示/違反報告)
Ai - 桜吹雪さん» コメントありがとうございます！！そんなこと思っていただけるなんて…すごく嬉しいです！！これからも頑張ります！ (2016年9月1日 19時) (レス) id: f7794d9ad5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ai | 作成日時：2016年8月20日 13時
