良いの?! ページ31
続々と読み上げられる所属している部活と名前。けれどやっぱり栗花落という苗字の人は居なかった。
速水さんがここまで来ると…と言いたげにやっぱりE組の栗花落君なんじゃないの??と呟く。殺せんせーはもう少し待とうと言う。
然し結局最後のD組と僕達E組から出場した栗花落君だけとなった。
〈D組は男子バレー部所属の倉持君、そして最後は…〉
〈すいません先輩退いて下さい!!〉
〈は?!ちょ!!〉
けれどD組の人の名前は栗花落君ではなく倉持君という人らしく、あの後輩達に人気だったのは栗花落君だったのか、と思ったのは大分後からだった。
思うよりも早く、信じられないという感情を抱くよりも早く2年生??1年生??の人が放送の席を先輩から取った会話が聞こえたから。
ドンッ、ガチャガチャ、という割と激しい音がマイク越しに聞こえる。
……すいませんって言ってる割には結構扱い雑じゃない…??大丈夫…??
よっしゃ、やった、という男の子と女の子の独り言がマイクに拾われ、その感情を整えるように咳払いをする2人。
すぅ、と息を吸ったかと思ったら。
〈おら喜べ我らが2年生…いや!!我らが栗花落先輩の後輩どもーー!!!!〉
音割れするのではないかと言う程大きな声で1、2年生にそう呼びかける後輩の…2年生の男の子。
その声に呼応するようにおおーーーーーっっ!!という1番大きな後輩達の声が僕達を…3年生を、いや、グラウンドを圧倒する。
辺りを見ると僕はもちろん茅野や殺せんせー、前原君だけでなく速水さんや千葉君までもが驚いた顔をしている。
ガッという音がしてマイクスタンドから女の子の手にマイクが収まる。
〈このレースは私達が実況していきまーす!!!!〉
僕達「「良いの?!先輩の気配しないけど?!」」
ずっとその"先輩"の声すらもしてないんだけど?!
ぴっ!!と片手を上げて高らかに宣言する女の子に僕達は思わずそうツッコんだ。
だから、これから始まる実況の事も、栗花落君がめちゃくちゃ人気だったという新事実の事も頭から抜け落ちていたのだ。
まさかあんなものだなんて……この時の僕達は思いもしなかった。
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トカ - 時の流れ?なんやそれ、どういうこt、、、あーーーーーーー← (2月6日 17時) (レス) @page50 id: e74bb02192 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - あ、、、、、成程、ね、、、本当に時の流れって残酷だよね、、、 (8月20日 14時) (レス) @page50 id: 0336b46ae5 (このIDを非表示/違反報告)
June(プロフ) - 蝶々さん» ありがとうございます〜!!ここまででも長いのにこんなところまで読んでくれてありがとうございます😭 (2022年2月11日 21時) (レス) id: e44cb7722c (このIDを非表示/違反報告)
蝶々 - 超絶面白いです!この作品すごい好きです! (2022年2月11日 21時) (レス) @page22 id: 11b1ad38fd (このIDを非表示/違反報告)
June(プロフ) - (`・ω・´)さん» 分かって頂けましたか?!良かったです。。。 (2021年12月23日 13時) (レス) @page50 id: e44cb7722c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:June | 作成日時:2021年11月4日 21時