4度目の人生､やっぱ慣れない話｡【暗殺教室】【男主】

心配ない ページ49

刹那俺に向かっていた触手はドドッと音を立てて弾き飛ばされ､バキッと木刀が限界を迎えた｡

出来たのは懐への一本道｡
俺はサッと横へ飛びながら捌け､目で合図を送れば寺坂は一本道を突っ走って行く｡

行けイトナー､殺っちまえー(コラ)

だが触手は木刀の限界まで出力を上げて木刀を犠牲に繰り出したのだから中々動けない｡

てか動くな｡←


寺坂「テメーにゃすぐ奴を殺すなんて無理なんだよ」


お前が言うな!!と叫びたいが我慢()

落ちた触手からはイトナのぶつけようのない怒りや悲しみがひしひしと伝わってくる｡

その中で､たった1本残された…いや､"残した"動かせる触手が寺坂目掛けて飛んでいく｡


寺坂「無理のあるビジョンなんざ捨てちまいな｡楽になるぜ」

イトナ「うるさい」


間合いに入ろうかという時､怒りでより勢いがついた真っ黒な触手が寺坂に当たる｡

瞬間､皆が思わず顔を顰めた｡

そして鈍い音を立てて寺坂は遥か彼方へ…ではなく､触手と接触したその場に立っていた｡


寺坂「2回目だし弱ってるから捕まえやすいわ」


そして吐きそーといや村松ん家のラーメン思い出した､あん!?という会話がされる｡

アンタら漫才は今するもんやないて()


寺坂「あいつな､あのタコから経営の勉強奨められてんだ」


そして語り出す寺坂｡

こういう時こそバカの裏表のない真っ直ぐな言葉が突き刺さるのだろう｡


寺坂「いつか店を継ぐ時があったら…新しい味と経営手腕で繁盛させてやれってよ」


そして､その真っ直ぐな言葉は高い壁だった事の難易度を下げてくれる｡

イトナの名を寺坂が呼ぶ｡

"彼"から"彼"が抜けていくのが見える｡


寺坂「一度や二度負けた位でグレてんじゃねェ｡

"いつか"勝てりゃあいーじゃねーかよ」


俺はそっと折れた木刀を回収する｡

もう無理やな､直したら呪具になってまうから普通に使われへん｡

袋に木刀を仕舞って彼らを見る｡


寺坂「タコ殺すにしたってな､今殺らなくていい｡百回失敗したっていい｡

3月までにたった1回殺せりゃ…

そんだけで俺等の勝ちよ」


親の工場は賞金で買い戻せば済む､そしたら親も戻って来る､と言う寺坂｡

大丈夫､戻ってくる｡5ヶ月後に､ちゃんと｡


糸成「次の勝利のビジョンが出来るまで…俺は何をして過ごせばいい」


だから心配ない｡

ただ生き生きと｡そしてこのクラスに来たからこそ味わえる体験をして｡


寺坂「今日みてーにバカやって過ごすんだよ｡そのためにE組(おれら)がいるんだろーが」

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