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フョードルがAから離れたので、コウとフクがAを守るように陣取る。
そんな二人を見て微笑みながら
「まあ、会えて良かったよフェージャ。君に会いたいなって思ってたからね。」
とフョードルに云う。
フョードルは暫しAの顔を見つめ嬉しそうに
「ありがとうございます。」
と答えた。
「また会おうね。」
そうAが云うと、一瞬複雑そうな表情を浮かべたが、直ぐに笑顔になり
「Я благодарен Богу за то, что мы встретились.」
と話す。フョードルの従者はAを笑顔で見詰める。
「Вот что преувеличена.」
Aも露西亜語で返す。
コウとフクは当たり前のように話す二人を少し寂しそうに見ている。
フョードルはAの言葉に少し頬を膨らませるが、Aを見つめ
「Без тебя моя жизнь не имела бы смысла.」
と優しく云う。
Aは其を聞いてまた固まってしまう。
「では、またいずれ会いましょうAさん。愛しています。」
フョードルは最後にそう云い残して去っていった。
「A様、あいつぶっ飛ばして来ようか!?なんつってたのか判んねぇけど……」
コウがAに云うが、Aは固まったまま動かない。
「A様大丈夫ですか!?」
そんなAを心配してかフクが声をかける。
Aはゆっくり二人を振り向き
「あ、うん、大丈夫。ロマンチストだなぁって思ただけ………」
と答える。
「A様、差し支えなければあの男がなんと云ったのか教えていただけませんか?」
Aのおかしな態度にフクが問う。
Aは驚き辺りを見渡した後顔を押さえる。
そして答えた。
「彼は『Без тебя моя жизнь не имела бы смысла.』って云ったの……………訳すと『あなたがいなければ生きている意味がありません。』って意味です………」
最後になるにつれてどんどん声が小さくなっていってしまう。
コウとフクはフョードルがそんな事を云っていたことに驚き取り乱す。
二人が慌てているのを見てAはますます恥ずかしくなったようで叫ぶ。
「探偵社行くよ!今すぐ行くよ!!」
__あんな恥ずかしい台詞ぼく云えないよ………
Aはそう思った。
________
フョードル「貴女と出会えて良かったです。」
A「それは大袈裟だよ。」
振り仮名を振ると読みにくかったので。
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作者名:玉兎 | 作成日時:2019年7月28日 10時