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A「とうちゃーく。」
町に着きましたー!!
久々すぎてテンション上がる。仙蔵も心做しかいつもより頬が緩んでいるように見える。
どこを見ようかとしばらく通りを歩いていると、視界にきらりと光るものが映った。
A「仙蔵仙蔵、あそこのお店行きたい。」
仙蔵「なんだ、小物屋か?」
店に入ると…
店内の棚には、綺麗な簪、櫛、髪飾り、扇子や手ぬぐいなどが所狭しと並べてあった。
中でも目を引いたのは、ガラス細工でできた藤の花の簪。太陽の光に照らされて、花びらはキラキラと輝き、手に取るといくつにも連なった藤の花がしゃらんと音をたてて揺れた。
普段は忍として、地味ーな格好をすることが多いが、仮にも15歳の女の子だ、こういう物に興味が無いわけではない。
私が食い入るように見つめていると、仙蔵が声をかけてきた。
仙蔵「A、それが欲しいのか?」
A「うん、でも似合うかどうか。」
今までこんな綺麗な物、身につけたことがない。母も忍だったので、いつも髪の毛は下の方でくくるだけで、こういう物には疎かった。
仙蔵「お前ならきっと似合う。……すみません、これ下さい。」
A「え、ちょ、仙蔵?」
店主「はいよ、彼女にプレゼントかい?いい男捕まえたなぁ、お嬢ちゃん。」
A「いやまあ、あはは…」
私がそんなこと言っているうちに、仙蔵はさっさとお金を払ってしまった。
仙蔵「ほれ、いい男からのプレゼントだ。」
仙蔵が簪の入った紙袋を手渡してきた。
A「なんか今のセリフで台無し感が凄い…」
いやいい男には違いないけどさ。間違ってはないけどさ。自分で言うなよ。
A「でも、ありがと。嬉しい。」
買ってくれたのだから、お礼は言わなくては。
私は笑ってそう言った。
仙蔵「そうか、私も嬉しい。」
仙蔵が優しく私の頭を撫でた。仙蔵の手は少し冷たかったけれど、春の始まりを告げる陽気と、少し火照った私の頭には、とても心地よいものだった。
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ベアちん(プロフ) - たうふ★さん» コメントありがとうございます。そのお話私も描きたいなーって思ってたんです!!リクエストは順番に消化してくのでちょっと時間がかかると思うんですが、楽しみにしていてください! (2021年11月2日 23時) (レス) id: e1de9352a4 (このIDを非表示/違反報告)
たうふ★(プロフ) - はじめまして!リクエスト失礼します!夢主ちゃんが拐われて、仙蔵がボロボロになりながらも夢主を助ける(語彙力)というお話が見たいです! (2021年11月2日 20時) (レス) id: 875905f17e (このIDを非表示/違反報告)
しゅる - 久々の更新だ〜!待ってました!学園長…思い付きをやめてもらいたい…! (2021年10月26日 23時) (レス) @page46 id: 29acc038ba (このIDを非表示/違反報告)
しゅる - 私のコメントありがたい!←調子に乗るな(^言^)これから、たくさんコメントしますね! (2021年10月12日 20時) (レス) @page45 id: 29acc038ba (このIDを非表示/違反報告)
ベアちん(プロフ) - しゅるさん» コメントありがとうございます。リクエスト大歓迎です!心得ました!少々遅くなるかもしれませんが気長にお待ちくだせえ…。 (2021年10月12日 7時) (レス) id: e1de9352a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベアちん | 作成日時:2021年7月19日 14時