【銀魂】花時の青い夢【合同企画】 (ページ37)

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高杉晋助【瑠璃鶲】ページ37

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努力は必ず報われる、努力は絶対に裏切らない。
確かにそうかもしれない。実際そうだった気がする、いや、そうだった。それは間違いない。
でも、そんなのは誰にとっても当たり前の事で。

項垂れたチームメイトと啜り泣く後輩を見た、暑い、晴れの日だった。呆然とする中で聴こえた観客席からの拍手はどこか頼りなかった。
そうして最後の最後に残ったのは、キラキラと輝いた墜ちた栄光。ただ、それだけだった。

『あの日の夢』

「────、────A」

「え、あぁ、うん」

隣の席から私を呼ぶ声に、思わず間延びした返事をしてしまった。
切れ長で翡翠色の隻眼。サラサラの黒髪。女顔負けの整った輪郭。

「何？高杉君」

「…………」

高杉君は少し何かを躊躇った後に、薄く形の整った唇を開く。
と、同時に。始業を告げるチャイムの音が教室に鳴り響いた。それに少し遅れて銀八先生が気怠げに室内に入ってくる。
なんとなくそちらに気を取られていたが、高杉君が何かを話している事思い出し、慌ててそちらの方に再び意識を向ける。

「…………ねェか？」

「あぁ～……うーん……そうだね……」

……間に合わなかった。私は間延びした返事をする。話を聞いていなかっただなんて言えば高杉君の機嫌を損ねる。なんとかして切り抜けたい。
しかし、彼の目が「適当に誤魔化してんじゃねェぞ」とでも言いたげにこちらを睨みつけている。……流石にこれには、白旗を上げずにはいられない。

「……ごめんなさい聞いてませんでした、もう一度お願いします」

彼の方に向き直り、頭を深々と垂れて謝る。
高杉君は数秒程沈黙した後に、静かに溜め息をついた。そりゃあまぁ、そうなりますよね。

「……────」

「え？なに？」

高杉君が小声で何かを言ったので思わず顔を上げた。彼は無表情のままだった。

「……フン」

と、次の瞬間、彼はあくびをしてそっぽ向いてしまった。飽きたのか諦めたのかは分からないけど、ホッとしたのと同時に少しの罪悪感が芽生えて、妙な気分になった。