あの音を掴んで。【ヘタリア】

26曲目。 ページ34

A視点













日「それでは、合奏始めますよ。準備してくださいね」

夕日の差し込む、放課後の音楽室。今日も菊の一言で合奏が始まろうとしている。







南伊「そういや、今部員何人だ？(ﾎﾟﾂﾘ」

中「言われてみれば…随分増えたあるな…」







加「えっと、1、2、3、4…」

露「ふふ、アルフレッド君そんなちまちま数えないでよ、鬱陶しい」



加「僕はマシューで…」



英「全部で16か…まあ、随分増えたよな」





仏「確かに、3年が引退して、Aちゃんが入部してくる前の倍だもんね」


米「こうなったのはAのお陰なんだぞ」




北伊「そう思うと奇跡だよね〜、色々」

日「ルートさんが部長を譲ったのも含めですね」



独「“一期一会”だな」






日「ふふ、確かにそうですね。ではそれぞれの思いを込めて練習しましょうか」



















菊の指揮で部室内に広がる音楽。



これが私の求めた、“創音サウンド”なのだろうか？









確かにそうだ。でも、もっともっと上を目指せる。

だって私たちだから。










クラリネットとフルートの掛け合いから始まり、主旋律がピッコロへと移る。

トランペット組とサックス組のハーモニーの中、ホルンの柔らかな音が響く。



低音組の主旋律、一旦落ち着いてフルートの旋律に戻り、また激しさが増す。

打楽器のリズムに低音が乗り、グロッケンとフルート、ピッコロ、クラリネットの音が重なる。








打楽器の刻みに、全員が乗って、曲はクライマックスを迎える。

音こそは違うけど、リズムが同じで美しいハーモニーが生まれる、この部分が大好き。










瑞「美しいハーモニーだな。音楽とはこんなに楽しいものだとは…」





西「音って綺麗やなぁ…まるで別嬪さんや」



『皆さんに音を奏でることの楽しさが伝わって嬉しいです』







『私たちの目標、それは…』







全員「響け！創音サウンド！」














貴方の、私の心に響き、音楽は人を繋ぐ。




肌寒くなる11月の初め。運命の針は動き続ける。

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