―127 契約違反 ページ27
何が狙いだ。とミルフィオーレに来たその時、白蘭に聞いてみたことがある
それに彼は少しも悪びれることなく、むしろあっけらかんと言ってみせたのだ。
「だって、仮に僕が君を拐ったとして
君は惜しみもなくその命を捨てるだろう?」
それじゃあ困るんだ。
白蘭はそれ以上言わなかった。
彼の言ったことは間違いではない
実際、皆の命が天秤にかけられていなかったら声をかけられたあの時
敵わないと実感したあの時に、自決していただろう
逆に、ずっと彼の後ろに控えているからこの2ヶ月、寝首をかいてやろうと何度も思ったがずっとへらへらとしているくせ、隙なんてどこにもなかった。
「Aちゃんは、8³についてどう思う?」
「トゥリニオット?」
こうして突然話しかけてくるのももう慣れた。
いつもこういう時、彼は適当な事しか喋らないから真面目に相手にすることは無いが、Aは聞きなれない単語に聞き返す
「君たちが壊したあれだよ。ボンゴレリング、アルコバレーノのおしゃぶり、そして僕らのマーレリング
それらの総称をトゥリニオットと名付けたのさ」
ミルフィオーレとの冷戦の始まり
それは白蘭がボンゴレとアルコバレーノへリングとおしゃぶりを、それぞれ渡すようにと持ちかけた事だった。
もちろん目的もわからないのに、リングを渡すわけにはいかない
しかし白蘭は頑として引くことはなく
沢田は戦争の火種になるならとすべて砕いてしまったのだが
「…それがどうした」
「世界の地軸さ
手に入るメドがたったんだよ。だから
君にも見せてあげようと思ってね」
インカムに白蘭が指示を出すと大理石の床の1部に切り込みがはいり、その部分がゆっくり突出して
その上に横たえられた人物に、Aは全身の血がひいていくのを感じた。
赤い羽織に黒い髪、その小さな体は深い赤と鉄の匂いが染みついている
「アルコバレーノっていうのは不思議な存在でね
おしゃぶりがないと、生命の維持さえできないみたいなんだ。
壊したりなんてできないからあんまり調べられないけど、おしゃぶりには膨大な量の炎が宿っていることがわかった」
神秘的だろうと言った白蘭はポケットから取り出したリモコンを操作し、同じ要領でローテーブルの上にパネルのようなものを出す
そこには24つの窪み
そしてそのうち4つ、おしゃぶりの枠が埋められており、白蘭が窪みのひとつを指さして言った。
「いまからここが埋まる
彼の赤いおしゃぶりでね」
「貴様っ!!」
息も絶え絶えな師を見て冷静でなどいられるはずがなかったのも
白蘭はわかっていたのだろう
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po_poncham(プロフ) - 一夜さん» 長らく更新していてすみません、あたたかいお言葉ありがとうございます。ふたりとも幸せにするために頑張りますので、今後もよろしくお願いします。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: feaf66d49a (このIDを非表示/違反報告)
po_poncham(プロフ) - 杏音さん» 長らく更新できずにすみません、シルヴァくんまた出てくるのでお楽しみにしていてくださいませ。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: feaf66d49a (このIDを非表示/違反報告)
一夜(プロフ) - 初めまして。ぽんかん様のこの小説がとても大好きで何度も繰り返し読ませて頂いております。トガセちゃんもシルヴァくんもとても大好きです。お忙しいとは思いますが、いつかまた更新されることを願っております。素敵な作品に出会えて幸せです。ありがとうございます! (2020年12月26日 4時) (レス) id: a1724270ec (このIDを非表示/違反報告)
杏音(プロフ) - はじめまして。どちゃくそに好きです私..!シルヴァくんすごく好きです!!続き楽しみにしてますね! (2020年3月14日 4時) (レス) id: 966729f8ef (このIDを非表示/違反報告)
たまご - いえいえ!ぽんかんさんのペースで大丈夫です!気長にお待ちしてます!あとTwitterフォローしてます!とってもファンです!!! (2020年1月31日 20時) (レス) id: cfd662b50b (このIDを非表示/違反報告)
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