第24話「逆上」 ページ24
チンピラが誘導する路地裏はかなり入り組んだ道なりだが、一切迷う素振り無く辿り着いた先では、四方八方が高いコンクリートに囲まれていた。
──……人の気配は無い。
見通しの効かない袋小路で唯一目視可能な三日月が頭上で淡く光り、雲の合間を見え隠れしていた。
そろそろ潮時かと気味悪く微笑んだのはどちらが先だっただろうか。
オレは天空に浮かぶ負けず劣らずの三日月を、己の顔に着飾った。
「ああー、お前らってほんと馬鹿だなァ……。
……笑い堪えるのに必死だっつーの。」
低く囁いた声は、予想以上に辺りに響き渡り、自身の身に宿った静かな興奮を煽る。
先程まで有無を言わず従順に従い、逆らうことのなかったオレの一変した態度に気づいた此奴らが、途端奇異な表情を向けた。
…その顔すらもまあよくできた阿保面なことで、尚更笑いが込み上げてくる。
「ガキの戯言みてぇなことしか口から出てこない奴が……偉そうにイキがってんじゃねーよ…。
悪である自分に酔ってるってか？ オッサンのくせしてなに今更厨二拗らせてんだ恥ずかしい。」
オレはクツクツと喉を鳴らしながら、成る可く"同レベル"を意識して此奴らを煽ってみせた。
大して目の前にいるチンピラと変わらない傲慢な自分に、らしくないと吐き気を催す。空腹で気が立っているせいもあるが、厨二病拗らせてんのはどっちだよと、どこか客観的に己を恥ずかしいと思える冷静さも残っていた。
しかし今はその羞恥に蓋をする。
そうすれば───……
「っ…黙って聞いてりゃァ……！ 何だその言い草はァァァァ！！」
思い通りにうまくいく。
見下していた相手からいきなり
殴りかかってくるのかと思えば、いつのまにかその手には鋭い刃物が握られている。月光を反射して鈍く光るそれに、一瞬目が眩んだ。
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Acer(プロフ) - ボブさん» 見てくれてありがとうございます！それに褒めていただけてとても嬉しいです！お返事が遅くなってしまってすみませんでした…＞＜ (2020年5月31日 19時) (
レス) id: 5b56e0d54c (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - めっちゃおもろいですね 俺は東京喰種とヒロアカが大好きなんで すごくいいなーって思いました 文作るのすげーうまいっすね 俺やったら全然分とか作らないんですげーと思いました (2020年4月28日 21時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
Acer(プロフ) - 夏希さん» そう言ってもらえるなんて光栄です！コメント諸々ありがとうございます！ 多分次の更新がきたときは同時に続編が出ると思いますので そちらの方で引き続き目を通してくれたら幸いです。ここまで読んでくださりありがとうございました！ (2018年8月2日 17時) (レス) id: 9d909c4f1f (このIDを非表示/違反報告)
夏希 - めっっっちゃ面白いですね！！更新がすごく楽しみです^^ (2018年8月1日 20時) (レス) id: c79d085b3f (このIDを非表示/違反報告)
Acer(プロフ) - ですがこれから本編に関係のない更新をした際 文字数の関係でお伝え出来ないことが稀にあるかもしれませんが なるべく明記しようかと思います…！ 貴重なご意見ありがとうございました…！ (2018年6月10日 18時) (レス) id: 9d909c4f1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Acer | 作成日時：2018年4月27日 0時
