志望校に落ちた男女の話。 (ページ1)

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筆記試験も面接も、結構よかったんじゃないかとは自分では思う。

だから絶対番号はあると思ってた。

学校を早退して、一緒に受けた友達とバスと電車を乗り継いで志望校に向かった。

見終わったら友達と遊ぶ予定も入れた。

バスを降り、急いで志望校の玄関に向かった。
玄関に張り出されている紙の前には数名の受験者とその保護者が結果を見て喜んでおり、それを見る警備員もおめでとうと言わんばかりの目線を受験者に向けていた。

自分もこうなるんだろう、だなんて思っていたんだけれど

・

“え、ちょ、あ.......あった！！私の番号あった！
ねえ、ねえ美鶴はどう！？”

・

“よっしゃー！！合格！！かーちゃんに電話しないと.......！
なぁ遥、お前は！？”

・

頭が真っ白になるってこういう事だったんだ
頭の中がぐるぐると色んな言葉と感情が駆け巡る
何度も見返してもない自分の番号
カバンを持った手に力が入らない
喜ぶこともせずただ呆然と立ちつくしている自分が、警備員や他の受験者から哀れみの目を向けられているような感じがした

喋りたくなかった。今すぐここを抜け出したい。もういっそこのまま誰か殺してほしい。何がダメだったんだろう。紙を見返す度にぐちゃぐちゃな感情が自分を蝕んだ。

一言も喋らない自分に、友達がハッと息を飲んだ、そんな気がした。

喋りたくもなかったけど、ちゃんと自分の口で言うべきだな、と裏返った声で友達に向かって言った。

“.......ダメだった”