虹がかかる空に＊4＊ (ページ50)

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崇裕side

濵「あれ、学校は…？」

ばやーっとした意識の中、天井がいつもの病院と同じでおかしいなってぼんやり思う

神「おはよう、目覚めた？
学校行く途中で倒れて、駅で倒れてるの見かけて救急車時間かかるって桐山くんが連れてきてくれたんやで」

崇「え？…照史が？」

神「すぐ帰ろうとするから慌てて引き留めたわ。
あれから、会えてへんねやろ？」

照史おらんかったら、救急車間に合わなかったらどうなってたか…

ほんまは優しいやつなんやって改めて思う。

神「あと、研修旅行な…先生あかんって。
普通に透析しててこの倒れ方やし、今学校行くだけでも負担が大きいからできるだけ体は休ませて欲しいからって」

やっぱり学校行くだけでも俺の身体には負担って情けない

久しぶりに絶望感味わいながら目を閉じたら、誰かの気配がしてふと目を開けた

心配そうに下を向く照史が俺の前にいて、思わず声が出そうになる

濵「…ここまで運んでくれたって聞いて、ありがとう」

照「たまたま通りかかって、それだけやから」

濵「俺…ずっと謝りたかってん。
人の気持ちまで強制するなんて、俺おかしいこと言うたなって…ほんまごめん」

照「いや…俺もずっと謝りたかってん、俺も俺の気持ち勝手にぶつけた…ごめん」

お互いに謝り合って、ちょっとお互いに笑ってしまった

濵「照史、俺…」

照「あぁ！話さんでいい」

濵「ええねん、照史に聞いて欲しいねん。
俺、週に3回透析って言って血液綺麗にせな生きていかれへんくて…だから前後で倒れること結構あって。
体調安定しなくて、家と病院行ったり来たりしてて高校行かれへんくてさ…だから青春は過ごせなかったけどたくさんたくさん思い出作りたくて、あんなん言うて…ごめん」

照「うん…そっか、そうなんや」

濵「で研修旅行な、行けへんくなった」

照「濵ちゃんあんな…楽しみにしてたのに？行事多いからここの高校選んだって言うてたやん」

濵「うん…やっぱり上手くいかへんな！！」

明るく言うたつもりなのに、照史が悲しそうな目するから危うく泣きそうになった

研修旅行が行かなくてもまだ、修学旅行があるし他にも行事はたくさんある
　

わかっててもやっぱり悲しいもんやな、ずっとこんな学生生活なんかなと思ってしまう。

照「濵ちゃんは、それでいいん？行かなくて後悔ないん？」

最後の照史の言葉、ずっとずっと心に刺さってるよ。