虹がかかる空に＊4＊ (ページ49)

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照史side

入学式の後、2回登校しても濵ちゃんと会うことはなくて

次会えたら、あの失言謝らなあかんと思ってたのにな

通信やから、出席はそんなに関係ないねんけどやっぱり心配になってた翌週のこと

学校の最寄駅で改札のすぐ手前、駅員さん2人で誰かを囲んでて

そっと覗くと濵ちゃんが青白い顔して座っていた

柱にもたれかかって目を閉じたまま激しく息してて喋るのも無理そうで

照「濵ちゃん！？」

濵「あっ…はぁはぁっ照史っ……」

人助けとかそんなキャラやないけど驚きより心配の方が勝って、心配になって駆け寄った

「あなた知り合いですか？」

照「あっ、まぁはい」

「ホームで倒れられまして、電話したんですけど救急車到着まで少しかかるみたいで。
近くにかかりつけ医があるならそっちに行った方が早いですが」

駅員さんが説明してくれてる間も、濵ちゃんの顔色はどんどん白くなっていって

さっきまでかろうじて開いていた目も閉じたまま

照「わかりました！濵ちゃんかかりつけとかある？」

俺の声が聞こえてるのか、なんか言おうとしてるのはわかんねんけど、苦しいんか口パクパクさせたまま何にも声が出てない

照「わかったわかった、ごめんちょっとカバンの中見せて」

カバンの中の財布に一枚だけ病院の診察券があって、慌てて電話かけたらビンゴやった

照「濵ちゃん、電話つながって今から来てって言われたから病院行くよ？僕らタクシーで向かいます」

「わかりました、よろしくお願いします」

照「濵ちゃん、動くよ？」

白い顔をして、もう何も体に力が入らない濵田ちゃん背負っても軽くてびっくりした

病院に向かいながら、濵ちゃんが何か病気で

俺に知られたくないことやったらあかんなと思ったけど、今更引き返せへんし

病院の人にはなんも聞かんとこうと思って、とりあえず濵ちゃんを病院に送り届けた。