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智洋side





流「あれ、おとんちゃうん?」

智「ほんまや…」






体育祭が終わって、教室に戻る時隣にいた流星に呼ばれてそっちを見たら



流星のおとんに連れられた、俺のおとん





あの後全然話してへんし、あんだけ来るなって言うたのに





照「あー流星!」




俺らに気づいて流星のおとんがこっちに来た、そのままおとんも一緒に




流「おぅ、智洋のおとんも来てたんや!」

崇「流星久しぶりやなぁ!また声低くなった?どんどん大きくなるなぁ」

照「そやろ?あっ智洋くん聞いたで、喧嘩したんやって?」

智「あぁ…まぁ…」

崇「ちょ、智洋そこおんなら言うてや!」







おとんと顔合わすの気まず過ぎて、静かにしてたけど俺がおることがおとんにバレてしまった






照「おとん、白杖折れちゃってて智洋一緒に帰ってあげて?」

智「えっ……」

照「おとん、人混みなのにこっそり智洋のこと見に来たんやで?頼んだで?」





最後にさっと近くに寄ってそんなこと言って帰っていった流星のおとん





崇「ごめんなぁ、こっそり見に来たつもりやってんけど白杖折れてん…」

智「ぉん…」





おとんの手を俺の腕に回して歩き出す、小さい頃はよくやってたけど最近やってなかった




街中で目の見えない困った人がいたら助けてあげられるようにって、前におとんに言われた









崇「智洋、大きくなったなぁ?今流星とどっちが大きいん?」

智「流星…かな」

崇「そうなんや!」









ずっとずっと、言えなかった言葉が心の中で動き回る






智「あのさ、おとん…」

崇「あっ、見て…じゃないちゃんと聞いてたで?智洋やっぱり走るの早かったな!」

智「ごめん…ごめんなさい」

崇「何が?」

智「俺…酷いこと言うた」

崇「なんや、そんなん気にしてたんか!」





俺の言葉が宙に浮いてしまうくらい、おとんは笑い飛ばした





おとんは目が見えないことを言い訳にしたことがない、あんな酷いこと言うたのに俺のことも怒らない







どこまでも前向きで強くて優しい人






そんな事もわからん俺ほんま、アホやったな。

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作者名:時生 | 作成日時:2022年8月21日 1時

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