Who are you？～夏の匂い～ (ページ28)

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朝、少し早めに目が覚める

りのとしおりが早く行かないと売り切れちゃうから！といって

下北沢のヴィレヴァンには早めに行くことになった

2人は派手な服着てくるんだろうなぁ､､､

なんて思いながら

私は真っ黒のクローゼットの扉を開けて

ダブダブのパーカーかトレーナーかで迷う

可愛い服なんて持ってない。

それに後悔して、行く気が無くなりそう､､､

結局グレーの私には大きすぎるトレーナーを着て

沢山ラバーバンドのついたスラッシャーのリュックを背負う

リュックのチャックから大きい義勝モンスターが

ひょっこりと顔を覗かせる

トレーナーの下に一応ゴム生地の短パンはいて

全身鏡に自分を映す

長袖のトレーナーは暑いよね

でも、仕方がない

私は代謝が悪いしあまり汗が出ない

トレーナーでも平気。慣れてる。

自分でもびっくりするくらい

白くて細長い脚を見る

お母さんがせっかく作ってくれた体なのに

こんな性格なら台無し

いつもそんなことばっかり思ってしまう

よく私を見て

スタイルいいし、色も白い、ずば抜けて可愛い顔してて羨ましい

なんていう人がいる。

でも、私はそんなあなたの方が羨ましいって思っちゃう

どうせ、私より苦労せずにここまで生きてきてるんでしょ？

そうやって僻んでしまうの､､､

引き出しの中の紙切れを

ぎゅっと握りしめて

朝の8時、そっと家を抜け出して

待ち合わせの改札まで向かった