政略結婚かと思ったら、恋愛結婚でした【梵天】

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買い出しに行き、じゃあ簡単にカレーでも作りますか、と具材を切って鍋に入れ、ことこと煮込んでいる最中。

スマホが震えて、ピコンと通知音が鳴った。

マイキーさんから新着メッセージが届いています、と画面に表示されていた。

急いでアプリを開くと、端的に「今帰る」と送られてきていた。

今6時すぎだけど帰り早くない？首領特権？などと首を傾げつつじゃがいもが崩れないようにカレーをかき混ぜる手を止める。

きぃっ、ばたん、とドアが開閉する音がして、誰かがこちらに向かってくる足音がした。

バンッ！とリビング、ダイニング、キッチンが繋がる部屋のドアが開け放たれる。

「マイキーさん、おかえりなさ･･･」

い、と言い終わる前にタックルでもするかのような勢いで私を抱きしめてきた。

そのままキッチンの床に倒れ込む。
マイキーさんは男性にしては背が低めだが、それでも私よりは一回り背が高い。

マイキーさんに見下ろされる形で押し倒されて、(キッチンで)困惑する。

(え？なになに)

もしかしてもう夫婦間の営みを･･･！？と嫌な考えが浮かび青ざめる。いや、マイキーさんとなら嫌じゃないけど･･･やっぱり嫌かも！

マイキーさんは無表情を貫いている。柔らかい髪が私の頬にかかる。それほどまでに近い距離、ということだ。

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