彼女は宝物のように大切に閉じ込められている。【d!】 (ページ7)

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完全に日が落ちると、まんちゃんが自室に戻ることを促した。自室、とは最初に起きた部屋らしい。

ベッドに入ってうつらうつらしていると、まんちゃんが脇に腰掛けた。

｢明日ここに住んでる奴ら紹介するな｣

｢はい｣

｢･･･やっぱり俺らのこと、覚えてへんの？｣

私たちと彼らは初対面のはずだけど。質問の意図を汲めず、消え入るような声で｢皆さんと会うのは初めてだと思います｣と答えた。

まんちゃんの表情が一瞬かげったがまたすぐにいつもの笑顔に戻った。

｢じゃあ今夜はAちゃんがここにいるいきさつを話すめう｣

｢よろしくお願いします｣

｢眠くなったらいつでも寝ていいから、子守唄代わりにしてや｣

｢･･･はい｣

睡魔がそこまでやってきていたので、そう言って貰えるのはありがたい。

｢Aちゃんは偉大な魔法使い一族の末裔なんよ｣

初手からぶっ飛びすぎていやしないか。
なにか反応しなければと思ったが身体の半分が寝ているような状態で身動きしにくい。

｢異種族同士の戦争とか内乱とかに巻き込まれまくって死んじゃった。
戦ってる時は眷属を作り出して、それを操作するっていうスタイルや。勿論眷属に自我なんてないで？
そんでAちゃんが死んだ後は、Aちゃんの･･･なんて言うんやろ、陳腐な言葉やけど魂？やらエネルギー？がそれぞれの眷属に乗り移ったわけや。それで眷属達は晴れて自我を持つことができた。だから今度は自分らからエネルギーを送ってAちゃんを生き返らせようとしてたんよ｣

瞼がとてつもなく重い。
だんだんと視界がフェードアウトしていく。