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「かわいい」
「飼ってもええで」
マンちゃんがそんなことを言うものだから、使い魔達は更に怒って地団駄を踏んだ。
その様子も可愛らしい。
「からかいすぎたやんな。悪かったって」
ふふ、とマンちゃんが使い魔達に向けて上品に笑う。使い魔とマンちゃんの間にある強い絆を感じて、少し羨ましくなった。
その後も入れ代わり立ち代わり皆がお見舞いに来てくれた。
グルッぺンさんはあの顔で絵本を読み聞かせてくれて、トントンさんは目の下に濃い隈があったから一緒に寝た。
コネシマさんは喧しいとペ神に怒られていた。ショッピさんは遊ぶ約束をたくさん取り付けてくれた。
鬱さんとチーノさんは色んな話をしてて楽しませてくれた。エーミールさんは様々な知識を教えてくれた。
らんちゃんはとにかく優しかった。シャオちゃんは第一発見者だったらしく泣かれてしまった。ロボロさんにも泣かれてしまった。
お見舞いの時に初めて言葉を交わす人もいたのに、皆等しく心配してくれていた。
目覚める前の私は、こんなに愛されていたんだなぁと実感して嬉しいような、申し訳ないようなだった。
これで全員と関わりができたのに、一向に目覚める前の記憶が戻ることはなかった。
私の存在は、謎に包まれたまま。
結局マンちゃんも、あれきり私の出生やこの世界の仕組みについて教えてくれることはなかった。
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苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (12月18日 0時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 凄く面白いです!これからも応援しています!! (2022年10月30日 8時) (レス) id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘宮 | 作成日時:2022年10月11日 16時