【d!】許嫁とか古いでしょ【shp】 (ページ5)

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｢え、でも･･･｣

｢それでええよな？チーノ｣

｢ショッピくんが1人で帰って、僕がAちゃんと相合傘して帰るで！｣

｢ほい｣

再びチーノくんを無視し、私に折り畳み傘を手渡す。

｢ありがとう｣

｢･･･ん｣

アスファルトに叩きつけるような雨も、ショッピくんと話せるきっかけになったと思えばありがたかった。

うきうきした気分で帰宅して、｢ああ、明日折り畳み傘を返さなきゃ｣と思い立ち、またショッピくんと話す理由が出来たことに嬉しくてにまにま笑みが零れた。

翌日のお昼休み。

用事があるからと友達の元を離れ、折り畳み傘を返すためショッピくんの教室に向かう。

｢ショッピく＿＿｣

そこで目に入ったのは、女の子と楽しそうに話す彼。

どくん。

心臓が大きく脈打った。

｢(きっとただの友達、ショッピくんに彼女なんていないはず)｣

なんの根拠もない。だけどそう思いたくて、心の中で何度も念じる。

教室の入口で立ち止まっている私にショッピくんが気付き、こちらへやってきた。

｢なんか用っすか｣

さっき女の子と話してたときは笑ってたくせに。なんで私にはそんなに無愛想なの。

｢(だめ、私何思って･･･)｣

所詮私は親同士の良好な関係を保つための生贄に差し出されただけ。許嫁なんて座に縋ってみっともない。

一丁前にショッピくんを束縛したがってる気持ち悪い自分を嫌悪する。