【d!】許嫁とか古いでしょ【shp】 (ページ17)

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ミーンミーン、と外では様々な蝉の声が大合唱している。

私はエアコンの効いた室内で、夏休みの課題を片付けていた。
私は計画的に毎日進めるタイプでも、最後に死にものぐるいで終わらせるタイプでもない。言うまでもないが、やらないわけでもない。

夏休みになったばかりの内に一気に終わらせるタイプだ。
教科書やノート、ワークが開いた机の上はごちゃごちゃ。シャーペンや消しゴムが転がっていて、綺麗とは言い難い。

それでも集中して課題を終わらせれば、後は思いっきり過ごせる。

そんなわけで私はみんなが夏休みを満喫しているであろう時に机に向かっていた。

スマホの通知音が鳴った。
オフにしてなかったっけ、などと考えてスマホを手に取る。ちょうど1時間半経ったくらいだし、休憩にしてもいいかもしれない。

通知の正体はチーノくんだった。
彼とは夏休み中も頻繁に連絡を取り合っている。

トーク画面には『なぁ、明日暇？』と表示されていた。

『暇だけど何？』

『夏祭りあるらしい。一緒に行かん？』

『いいけど、なんで私？』

『ショッピが行けないらしいから』

あっけらかんとした彼の返信に思わず笑いがこぼれる。

『いいよ』