プロデューサーは変わり者 (ページ9)

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episode9 ページ9

ｺﾝｺﾝｯ

ん？誰だろう？

?「潤だけど、入っていい？」

「いいよー」

心配して来てくれたのかな･･･。

そう考えると、胸の奥がフワッとする。

･･･愛されるってこういうことなのかなー。

なんちゃって。

潤「今のは･･･家族？」

「うん。お父さん。はやく帰ってこいだってさ」

電話切ってやったわー、と笑う私の顔を、潤くんは悲しそうに見つめた。

潤「･･･帰らなくていいの？」

「いいのいいの！」

潤「でも、お父さんも心配してるから電話したんだろ？」

･･･そうだといい、と思う私はもう末期かもしれない。

「お父さんが心配するのは、会社の経営状況とまわりの目だけ。
あの人たちにとって、私はただのストレス発散の道具なの。
私がいなくなって心配してるわけじゃない。表世界(そと)での自分の姿を保つために、私で息抜きするの」

口にすると余計に辛いのはなんでだろう。

こんなことはずっと前から知ってる。

それでも“家族に愛されたい”と思ってる私は欲張りなのかな？

私って本当に誰にも愛されてないなー。まあ、私も誰も愛してないけど。

人を大切に想うってどんな感じなのかな。

「幸せになりたい」

潤「え？」

「ううん、なんでもないよ。ご飯にしよう！」

潤「う、うん」

潤くんって見た目はヤンキーっぽいけど優しいな。人は見かけによらないんだね笑

このまま平和な日々が続くといい。

せめてお父さんに見つかるまでは、みんなで楽しく過ごせますように。

みんなで楽しく･･･

ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

ビクッとなる肩。

こ、今度は誰？