となりのとなりの田中さん。 【あほの坂田】

06:となりのとなりの彼はなんだかんだ優しい ページ6

.







先輩に夕食をご馳走した後、インターホンが鳴った。なんだなんだと玄関を開けると宅配便で、この間坂田さんのために頼んだ海鮮類がぎっしり詰まった発泡スチロールを渡される。エビとかエビとかエビとか…エビとか
まぁエビ尽くしな訳だが、海鮮丼用の魚も色々頼んでおいた。そんな私に気付いたのか、わざわざ志麻先輩は持ち運んでくれた。


　「まぁた頼んだんか」

　「新鮮な魚で明日は海鮮丼を昼に届けにいこうかと…」

　「朝はどうするん？」

　「朝は重いとやっぱり昼からがしんどいので、鶏肉を蒸しますかね…ささみとか」

　「かんっぺきに胃袋支配しとるなぁ、感心どころか引くわ」



毎日坂田さんの反応を見て、新しい反応があったときにはすぐメモをし、献立を変えている。ただ単に家事をしているわけではない。相手の反応もきちんと見るのが役目だ。


　｢うわ立派な鮪やん…旨そ｣

　｢なんなら先輩明日昼に食べに来ます？昼頃なら脂もまだのってて最高に美味しいですよ？｣

　｢刺身も海鮮丼もええなぁ……まーぐろっまぐろまーぐろっ♪｣

　｢…鮪を何で食べたいかは色々ググった後に伝えてください｣



げんなりとしたしかめっ面でマグロダンスらしきものを踊る先輩に不愉快な目を送っておいた。

07:となりの彼は不在→←05:隣のとなりは一緒

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す