Crazy moon 〜宴のハジマリ〜 【浦/島/坂/田/船】

episode.9 ページ9

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…どこ、ここ。




ﾌｯと何かが切れたように私はゆっくり瞼を開けて、眩しいシャンデリアを眺めた。




｢…ﾊｯ。もしかして、ここ…｣




きらびやかなドレスを纏う女性と、時々香る少しキツい香水の香り。シャンデリアが辺りを真っ白に染め上げるような光を放ち、美味しそうなご馳走の匂いも漂う。
私の視界に映っているものは、全て現実なのだろうか。




いや、もしかしたら夢かも知れない。そう思って、柄にもなく頬をつねって確認した。うん、やっぱり痛い、夢じゃなかった。




目に映る人達はとても綺麗で、私と比べてはもったいないと感じた。こんな格好で舞い上がっていた自分が恥ずかしい、もっとちゃんとすれば良かった。そう思ってドレスの裾を握りしめると、影が私に被ってきた。





｢…折角のパーティやねんから、楽しみぃさ｣




そう言って口にお肉を詰め込む男性は一体なんなんだろうか。見た目は全然悪くない、というか良すぎるほうだ。女性と同じ、いやそれ以上かも知れない白いきめ細やかな肌。大きい深紅の目。




少し幼く見える顔立ちとその高い身長とスタイルの良さは、普通の人をギャップで倒れさせることも可能かもしれない。現に私も、少しかっこいいと思ってしまっているのだから。

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