前進 ページ20
「俺をみて…？なんだ？俺が誰かに認められたいと、『愛』されたいと、証明されたいとでも思っているとでも？ハッ！馬鹿馬鹿しいにもほどがある
俺はあいにくこの才能を認められている…最悪なことに、両親からも『愛』されていた！俺は誰かに証明されないと生きていけないほど軟弱じゃない！！」
そう叫び散らす彼。その瞳は酷く怯えて見える
特に『愛』を彼が語るときはいつもひどく怯えるのだ
強がってこそいるが、きっと…
A「違う、貴方はそれを求めてるんじゃない。あなたは...誰かに隣にいてほしかったんだ」
「…は？」
A「違う？」
「当り前だ、俺の隣にはいつも…」
A「違う、そうじゃない。私が言っているのは精神の話だよ
貴方は賢く、そして才能もある。なんでもそつなくこなすし猫かぶりとはいえ外聞もいい
そんなあなたのそばにはいつも誰かがいる
でもその中の誰もがあなたのことを恐れている、貴方を、友人だと思っていない
それを理解しているんでしょう？あなたも」
「....あぁ、確かにそうだ。だからなんだという？」
A「欲しかったのでしょう？ハリーとロン、ハーマイオニーのような関係の友達が
人は、一人では生きていけない。
あの人にはあれがあるあれが欲しい…人はないものねだりだし、そう思うのはおかしい事でも醜い事でもない
自然な感情よ。私だって前世では友達には恋人いたのにいなかったから欲しかったのに！」
「お前のそれと一緒にするな！まったく！！」
彼はふうと一息をつくと少しふせめになった
私そんなおかしいこと言った？
「違うわ」
A「え、開心術？」
「口に出てた」
A「うそ」
おしゃべりな口めと言って口をたたく
すると私を見て彼は少し笑った
「確かに、俺は欲しかったんだ。そういう友達が…だが現実はそうはうまくいかない。
俺の周りには、闇しか纏わりついてこなかった」
A「あなたが『愛』について汚らわしく思ってしまう理由もそこ？」
「....」
黙り込んでしまう彼
私にだいぶ心を開いてきているのはわかってきたが、それでもやはりはばかられるのだろう
A「ネロ、貴方は私が一緒にいてどう思う？」
「…気持ち悪いくらい、あの方が一緒にいたくなるのもわかるくらいに、
…泣きたくなるくらい、居心地がいいよ
A「なら無理には聞かない、貴方が放したくなるまで、一緒にいるわ」
そういうと少し辛そうに微笑んだ
それが彼の答えなのだと思うと、嬉しくなった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
日向(プロフ) - ネロと仲良くなれることを願う (2022年10月29日 22時) (
レス) id: 8e35b9a1dd (このIDを非表示/違反報告)
朔々PANDA(プロフ) - 読んでてとても楽しくて 暫く熱中して読んでました！全裸待機で応援しながら待ってます！ (2022年10月22日 13時) (レス) @page13 id: 3a7fd92cae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：林檎 | 作成日時：2022年10月8日 14時
