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降谷side
「ごめんなさい!!本っ当に、ごめんなさい!!困らせちゃったよね、迷惑かけたよね!?申し訳ありませんでした!!」
「いやいやいや!待て!どうした!?」
わぅ?
家に着いた瞬間、雫は土下座でもするかと思うくらいの勢いで、謝り倒し始めた。
帰ったらちゃんと話すんじゃなかったのか?
見ろ、ハロですら困惑してるじゃないか。
「私、こんなの初めてだから、どうすればいいかわかんなくて……。でも、私が勝手なことしたっていうのはわかってるから、謝らなきゃって思って……!」
「それじゃ話ができないじゃないか」
「あ、そ、そっか……」
荷物を下ろして、きちんと椅子に腰掛けて、向かい合う形になる。
……帰り道では、どう謝ろうかとか、何から話せばいいとか、グルグルと考えていたが、今は怖いほどに落ち着いている。
「雫、聞いてくれるか?」
「……うん」
「また、お前を怒らせることになるかもしれないけど……。正直に言うと、どうしてあんなに怒っていたのか、わからないんだ」
教えてくれないか。
そう言うと、雫は一瞬驚いたように瞬きした後、困ったように目を逸らした。
「ポアロにいた、女の子……。手繋いだり、髪撫でたりしてさ……」
「それが、嫌だった?」
「……零さんに頭撫でたりしてもらえるのは、私だけだと、思ってたから」
恥ずかしいのか、だんだん声が小さくなっていく。
くぅーん、といつの間にか雫の膝に登ったハロが、心配するように雫に擦り寄る。
……かわいいな。なんだコイツら。
「でも、零さんいつもはあんなこと周りの人にしないでしょ?……なんで、あの子にはしたの」
「ああ、あれは……」
雫の最もな疑問に答えようとして、そのことを思い出す。
……うわ、話したくない。
「あれは?」
「……順を追って話す」
話し終わる頃には、俺の方が恥ずかしさに沈んでいそうだ。
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時雨(プロフ) - まことさん» ご意見ありがとうございます。読み始めてもらえて嬉しいです!参考にさせていただきます。 (2019年10月18日 7時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
まこと(プロフ) - 3でお願いします 新たに読み始めたので続きが気になります (2019年10月16日 17時) (レス) id: 9abb2adce4 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - ☆三日月☆さん» ご意見ありがとうございます。何年でもなんて嬉しすぎます!参考にさせていただきます。 (2019年10月15日 19時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
☆三日月☆(プロフ) - 何年なっても待ち続けるので3でお願いします! (2019年10月14日 16時) (レス) id: 0e61e2fc0f (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あーちゃんさん» ご意見ありがとうございます。面白いストーリーや、もったいないなど、すごく嬉しいです!参考にさせていただきます。 (2019年10月8日 12時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2019年7月15日 13時