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Aside
数年経ったある日、とある研究所に手伝いに行った時だった。
『…初めまして、シェリーよ』
『サングリアだよ。初めまして』
私より少し幼い姿をした、それでも私よりずっと大人びた雰囲気を纏った子と出会った。
初めこそ、打ち解けるのに時間がかかったけれど、シェリーはだんだん笑顔を見せてくれるようになった。
『サングリアはなぜここにいるの?』
『家族のためだよ。私が頑張れば、家族みんなが幸せになれるの。みんなをきっと、笑顔にさせられる』
『……そう』
……そんなことを笑顔で話した、次の日だ。
『サングリア、仕事よ』
『はーい』
『こいつを始末してちょうだい』
ぱっと見せられた資料にあったのは、かつて私を教育してくれた、両親の仕事仲間のおじさんだった。
『え…?』
『何か問題でも?』
『……何か、悪いことしたの?』
『いいえ。もう長いこと成果を上げていないんだもの。もう用済みだそうよ』
『……』
『何を迷っているの?いつもなんの躊躇いもなくやってくれたじゃない』
『……だ、大丈夫。知ってる人だったから』
『あら、そう』
この日、初めて私は、人を殺すということに違和感を覚えた。
それでもまだ、悪い事だとは思っていなかった。
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時雨(プロフ) - まことさん» ご意見ありがとうございます。読み始めてもらえて嬉しいです!参考にさせていただきます。 (2019年10月18日 7時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
まこと(プロフ) - 3でお願いします 新たに読み始めたので続きが気になります (2019年10月16日 17時) (レス) id: 9abb2adce4 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - ☆三日月☆さん» ご意見ありがとうございます。何年でもなんて嬉しすぎます!参考にさせていただきます。 (2019年10月15日 19時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
☆三日月☆(プロフ) - 何年なっても待ち続けるので3でお願いします! (2019年10月14日 16時) (レス) id: 0e61e2fc0f (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あーちゃんさん» ご意見ありがとうございます。面白いストーリーや、もったいないなど、すごく嬉しいです!参考にさせていただきます。 (2019年10月8日 12時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2019年7月15日 13時