拾陸 ページ17
上塚政人を背に動けないでいると、突然パーティー会場前方のスクリーンに何かが映し出された。
それは、１人の初老の男性を４人の男女が囲った一枚の写真だった。
その写真を見て、私はあることに気が付いた。写真の右下に筆記体で“Tenma”と書かれているのだ。
そして、スクリーン前に先程対峙したであろう男が現れ、声を張り上げてこう言った。
「天馬教授は上塚政人に殺された！」と。
その瞬間、後ろにいる上塚が、先程とは打って変わり無表情で呟いた。
「こんな公の場で……よくそんな出鱈目が言えるな」
『……ッ！？』
……なんだ。なんでこんな一気に雰囲気が変わったんだ……！？ さっきまで少し震えてたじゃないか。それなのに……今はものすごく冷徹な目をしている。
私が上塚の変わり様に驚いていると、周囲を囲んでいる３人の中１人が口を開いた。
「出鱈目ではない。俺達はお前の悪事を全て知っている」
「ハッ、何を言っているんだ」
「余裕だな。……まあ、いい。お前が先生にしたことを……今、ここで明るみにしてやる」
彼らはスクリーンの画像を変え、様々な資料や写真を写しだした。それらは主に遺跡発掘に関することだった。
そして、彼らの話を聞くからに、天馬と呼ばれる男性は彼らが大学時代にお世話になった教授だったらしい。
１年前、天馬教授は未調査の墳丘墓(弥生時代の墓)の発掘に携わり、保存状態の良い蕨手刀を掘り出したのだ。
だが、それはあり得ないことだった。
よく調べてみると、出土した付近の土が通常より柔らかくなっていることが分かった。
つまり、誰かが意図的に埋めたということだ。
このことに気が付いたのは幸い世間に発表する前だった。
天馬教授はすぐに調査結果の訂正に取りかかろうとした。
だが、その出土した蕨手刀に目を付けた上塚が天馬教授の前に現れたのだ。
上塚は天馬教授に異物捏造を指示した。もちろん天馬教授は最初断ったが、家族を人質に取られてしまい、やむを得なく訂正せずにそのまま提出した。
その後、すぐに天馬教授の研究室に強盗が入り、出土した蕨手刀が行方不明になってしまった。
天馬教授は罪悪感に苛まれ、最終的には精神を病み、家族を残してこの世を去ってしまった。
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推しが尊いマン(プロフ) - 更新マジ感謝です。ありがとうございます (2021年1月14日 15時) (
レス) id: ae253cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊いマン(プロフ) - 梨色さん» やったああああ！！！ありがとうございます！！！！楽しみに待ってます！！ (2021年1月11日 16時) (レス) id: ae253cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
梨色 - まだ読んでくださる方々がいらっしゃることに対し感動しました。少しだけ更新頑張ってみようと思いますので、少々お待ちください。まずはストーリーを思い出します笑 (2021年1月11日 15時) (レス) id: bfcd433b02 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊いマン(プロフ) - そこで終わるのぉ！？更新待ってますー！！！ (2021年1月11日 8時) (レス) id: ae253cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
ふる - 34話のは合ってると思います!だって彼らのセリフですもんね?お話面白いです!更新楽しみにしてますね! (2020年2月15日 17時) (レス) id: 91b037fbe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨色 | 作成日時：2018年5月5日 20時
