拾弐 ページ13
「そんな訳ないだろ。ちゃんと経費から落ちる」
『……え、マジで？ 経費から落ちんの！？』
「ああ」
『本当に！？』
「本当だ」
なんだそれ。ただの警備の仕事にしては太っ腹過ぎないか？ 経費からドレス代出るなんて聞いたことないぞ？！
……え、まさか……私だけ別の何かをやらされるって訳じゃあ……。
すると、降谷は私の心を読んだかのように口を開いた。
「ちなみに、Aには警備と同時に別のこともしてもらうからな」
…………ですよねぇ―――！
『あ……やっぱり……？ ……で、その詳細は……』
「明日、Aの携帯に送っておく。ちゃんと目を通しておけよ」
『りょ、了解で〜す』
・
・
・
――――――……ってな感じで仕事の話が進んでいったのはよかったが、そこからが大変だった。
何でかというと、降谷の気が済むまで私はドレスを着せ変えられまくったのだ。
着替える度に無表情でガン見されたのは、正直キツかった。
私はもう途中からどうでもよくなってしまい、最終的にはドレスを降谷に決めてもらった。
それが、今着ているパンツスタイルのドレスだ。黒地のノースリーブで、深めのスリットが入っている。動きやすさを重視したのが目に見て分かる代物だ。
……まあ、そんなことは一先ず置いといて。
私は、これからターゲットに近付くことを降谷に伝えた。
「決して気を抜くなよ」
『了解』
一言そう答え、私は再度会場内に足を向けた。
話しかけてくる男共を上手くかわし、私は目的の人物の姿を目に捉えた。
大手企業重役、上塚政人。３７歳。高身長・高学歴。おまけに容姿も完璧な男だが、私は何とも思わない(降谷で慣れてしまった)。
……実はこの男、表向きは良いが、裏では国際窃盗団と深い関わりがあるらしい。
だが決定的証拠がなく、いつも嘲笑うかのようにかわされてしまう厄介な相手だ。
私は降谷から、この男と親しくなって、あわよくば情報を引き出せという指令を受けた。
……それっていわゆるハニトラじゃね！？ 私そこまで体張りたくないんだけど！！ と思ったりもしたが、この際だ。もう何だってやってやる……！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2441人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
推しが尊いマン(プロフ) - 更新マジ感謝です。ありがとうございます (2021年1月14日 15時) (
レス) id: ae253cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊いマン(プロフ) - 梨色さん» やったああああ！！！ありがとうございます！！！！楽しみに待ってます！！ (2021年1月11日 16時) (レス) id: ae253cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
梨色 - まだ読んでくださる方々がいらっしゃることに対し感動しました。少しだけ更新頑張ってみようと思いますので、少々お待ちください。まずはストーリーを思い出します笑 (2021年1月11日 15時) (レス) id: bfcd433b02 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊いマン(プロフ) - そこで終わるのぉ！？更新待ってますー！！！ (2021年1月11日 8時) (レス) id: ae253cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
ふる - 34話のは合ってると思います!だって彼らのセリフですもんね?お話面白いです!更新楽しみにしてますね! (2020年2月15日 17時) (レス) id: 91b037fbe2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：梨色 | 作成日時：2018年5月5日 20時
