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-審神者side-



『あんたのことは、私が守る』



その一言を聞いた時、私は凄く嬉しかった。

見た目や声は少し違っていても、彼女は確かに山姥切国広なのだ。

「彼」が私に言ってくれたことを、また言ってくれた。


彼女とは、良い友人になりたい。



「…嬉しいです。友達、ですね!」



私が初めて愛し、私を愛し支えてくれた彼はもう居ない。

だけど、いや、だからこそ、今いる彼女とは唯一無二の、同性の友として、仲間として、大切に、愛していこう。


そう思って彼女に目を向けると、


「え?え??どうしたんですか国広、顕現したてでまだお身体に慣れませんか?あ、もしかして嫌でした!?ごめんね!」


布を深く被りすぎて、ダンゴムシ状態になっていた。


ギョッとして声をかける。

いや、かけるどころか驚きすぎて叫んでいるようなものだ。



『いや…気にしないでくれ。少し己が言った言葉とあんたの反応に、恥ずかしく、なっただけだ…』



布をほんの少し上にあげ、その隙間からそっと上目遣いで見上げてきた。心做しか目も潤んでいて顔も赤い気が…。



「可愛いです」



ついポロッと言ってしまった。…のだか、やはり、



『っ!?か、可愛いとか、言うなっ!』



彼の「綺麗とか言うな!」を聞いていればわかるように、こういう反応をすることはわかっていた。
わかってました。

わかってましたけど、本当のことだから言いたくなるじゃないですか!?



「えっと、ごめんね?国広、さぁ、皆の所に行きましょう」

『っだが…』

「大丈夫。みんな優しい方たちです。ね、行こう?」


国広は少し悩むようにしてから


『わかった。…あんたが言うなら』


少し笑った気がした。

そして、私が差し出した手を取り廊下を共に歩く。





来てくれてありがとう、国広。

陸→←肆



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るるるんる - めちゃくちゃ好き… (2021年12月3日 17時) (レス) id: 3a1425707e (このIDを非表示/違反報告)
やよ - あの、はい、好きです(直球) (2021年10月25日 17時) (レス) @page5 id: f3622d769a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘冬 | 作成日時:2021年5月4日 11時

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