【ヒプマイ】すきやけん。さん。【波羅夷空却】

20/02/14　「はじめて女の子に友チョコあげる……!! 緊張……!!」乱数「そんなに緊張する?」「くうと一郎以外に渡したことなかし」乱数「えっ……陰キャ……?」「許すまじ」 ページ7

「拙僧にはねーのかよ」
「はいはいどうぞー」
「雑だなこんにゃろ……」
「一郎、今年ももらってくれる?」
「もらったらころす。もらわなくてもころす」
「空却こえーよ!!」

無事、ブラウニーを焼き上げた私は、翌日の学校で合歓と交換、くうと一郎にプレゼントをした。

「友チョコはじめて!!」
「美味しいかわからないけど……」
「合歓、料理上手やけん、こんクッキーも美味しそう」
「Aのブラウニーもすごく美味しそう!」

女の子の友達ははじめてだ。

「(うれしいなあ)」

ちらりと、くうと一郎を見る。

「今年も三倍返し期待する」
「クソ……美味いのもらってるから無下にできねぇ……」
「合歓も言っといた方がええよ」
「じゃあ、楽しみにしてるね」

四人組で過ごすことが板についてきて、もうすぐ一年。
あと少しで、高校2年生になる。




**



放課後、一郎はバイト、合歓は家のことをすると言って今日は遊ばずに帰宅した。

「あ、醤油なくなりそう」
「バレンタインなんかに気を取られてんなよ」
「うっさい」

夜ご飯の下準備をしていたとき、足りない調味料に気付き、買い物に出掛けた。

そこですれ違ったのは、ピンク色の髪をして、黒いキャップを被った、白い服の人。

「あっ! オネーサン!!」
「はい?」

突然話しかけられ、戸惑っていると、その人は言った。

「ボク、今日誕生日なんだぁ〜☆」

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