21「(くうがすき。それだけで、私の人生は充分だった)」 ページ21
「一郎、」
「やっぱり諦め切れねぇんだよ。好きだ。好きなんだよ、A」
すがりつくように、一郎は私に抱き付いた。
私より大きな体。
一郎が男だということは認識している。
でも、それ以上に、私にとって一郎は、
「一郎、私ね、」
「A!!!!!」
ドアが勢いよく開いた。
「なんで、」
「……久しぶりだな、空却」
「わりーな一郎、久々の再会を喜んでるほど余裕ねーんだわ。A、帰るぞ」
「またな、A。今度はちゃんと話そうぜ」
「……一郎……」
くうに腕を捕まれ建物を出る。
玄関で、制服姿でスーパーのビニール袋を持った黒髪の二人青年……二郎くんと、三郎くんにすれ違った。
「一兄、あの二人は……?」
「俺の、親友と初恋相手」
「「えっ!?」」
**
「くう、なんでこっちに居ると?」
「Aが心配になってきたんだよ。なんで一郎に抱き締められてんだ」
「……ごめん。ばってん、私が好きなんはくうだけやけん」
「知ってる」
「くう、好き。だいすき。一晩会ってないだけなんにばり寂しかった。今度は、一緒に行こ?」
「……おう」
「くう、会いたかった」
「……拙僧も」
そのまま、私達は腕を組んで帰った。
特に会話は無かったけど、気まずくなかったし、一緒にいるだけで幸せなんだと実感できた。
「くう、すきやけん」
帰りの新幹線で、一足先に寝たくうの髪をそっと撫でる。
「……くう、」
「好き」
「こんなに好きなんに」
ずっと一緒には、居られない。
22空却「(うわあああ熟睡してる超かわいい写メ撮っとこ)」→←20一郎「(女々しすぎるってわかってる。でも、それでも、親友の彼女でも、俺は、お前が)」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 243人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kouboukun@46猫恋__(プロフ) - うわ、私の彼氏イケメン見て、すぐ出た言葉 「いや、まじそれな？」 (2020年12月12日 21時) (
レス) id: 50346d323c (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ - 24の 憧れてしまえば、越えられないってハイキュー！の影山の名言ですか？2回めの青葉城西戦の！ (2020年9月5日 7時) (レス) id: 661e8c572a (このIDを非表示/違反報告)
Lollipop＊ - 空却くん可愛い！嫁にしたい(@_@) (2019年10月21日 18時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
空炭 - 面白いです！この小説が、終わっても、読み続けます！応援してます！ (2019年10月19日 15時) (レス) id: 71d761d1e6 (このIDを非表示/違反報告)
空麦 - 面白いです！これからも頑張ってください！ (2019年10月2日 2時) (レス) id: c4e2515f38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫 | 作成日時：2019年10月2日 0時
