7音 くるくるパスタ ページ9
「Aさん! 好きな食べ物あります? このまま四人でご飯食べに行きましょうよ!」
高尾に聞かれ、Aは数秒考えた後文字を打つ。
ーパスタかな!ー
「了解でっす! いい店案内しますよ!」
ーありがとうー
「ありがとな、高尾」
「いえいえ! 真ちゃん人見知りしてないで行くよー!!」
腕を引っ張られる緑間が、少し困ったようにAを一瞬見つめた。
高尾に案内されたレストランは、内装も料理お洒落で、美味しかった。その上価格もリーズナブルで、高校生のお財布にも優しい。
「おごってもらってすんません!」
「案内料金だと思え。うまかった」
「ありがとうございます、笠松さん」
ー幸ちゃんありがとうー
高校生のお財布にも優しいとはいえ、四人分となればそれなりの値段だったが笠松は財布が少し寂しくなることを拒まず全額出した。
「今日はありがとうございました! 今度バスケしましょーね!」
「失礼します」
「おう、気をつけて帰れよ」
高尾と緑間を見送り、二人とは反対方向を向く。
しばらく歩いたところで、Aが立ち止まった。
「A?」
ー私、こっちだから。明日から従弟の家に住むから準備しなきゃー
「従弟?」
ーうん。幸ちゃんも知ってるかな? 今バスケ部なのー
「へえ、どこの学校?」
笠松に訪ねられ、文字を打ち込む。
見せられた文字に、笠松は一瞬動揺した。
ー霧崎第一ー
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作者名:紫 | 作成日時:2019年3月6日 1時