6音 ティータイム ページ8
「おはよ。これ、母さんから。二人で食えって」
そう言って渡されたのは、チョコレートマフィンだった。
上がって、とジェスチャーし、紅茶を淹れる。
「今日、どこ行きたいんだ?」
今日は日曜日。
部活も休みということで、笠松と二人ででかけるという話になっていたのだ。
ー映画でも見たあとショッピングでもしないかなぁと思ってー
「いいな。見たい映画あんのか?」
ーモデルとバンドマンのやつー
「わかった」
紅茶とマフィンを並べ、二人で食べ始めた。
ーおいしい!ー
「だな」
…………
………
……
…
ーあー感動したー!!ー
「結構よかったな。あのバンドマン役の人好きなんだっけか」
ーうん! あの人本業がモデルで、専属のアパレルブランドの服もよく買ってるの!ー
「へえ、確かに同じ系統だな」
ーよし、じゃあお洋服買いにいこう!ー
「ああ」
「あれ、あそこにいるのって……」
「高尾、どうしたのだよ」
「見てよ真ちゃん! あれ海常の笠松さんだよ!! 美人の女の人と歩いてる!! 彼女かな!? ちょっと行ってくる!!」
「高尾!!」
「かさまつさーん!!」
「あ? 高尾?」
「その美人さん誰っすか!?」
「ああ、幼なじみだよ」
ー誰?ー
「?」
「他校のバスケ部のやつだよ」
ーへーー
「えっと……?」
ーはじめまして高尾君。私喋れなくて……面倒でごめんね?ー
「いやいや! 全然大丈夫っすよ! よかったら連絡先交換しません?」
ー高尾君ってコミュ力すごいね……ー
「だな……」
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作者名:紫 | 作成日時:2019年3月6日 1時