【黒バス】女性恐怖症ギタリストと声の出ないボーカリストのお話。 (ページ17)

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15音　難しいお年頃ページ17

「やはりギターもお上手ですね」
「やはりって……真ちゃんAさんのことなんか知ってんの??」

緑間、高尾と再会した翌日、秀徳は午後に体育館点検があるということで午前のみで部活を終えた二人と合流。
緑間の家でコンサートで演奏する曲を練習していた。

「原先輩は、ボーカリストだった。弾き語りでライブをしていたこともある。……ですよね?」

そう緑間が申し訳なさそうに言うと、高尾が目を見開いてAを見た。

「ボーカリスト……? 本当、っすか……?」

眉を下げて、Aは頷いた。

「そう、すか……あ、あの、なんか相談したいこととかあったらなんでも聞きます!! 余計なお世話かもすけど……」

-ううん。そんなことない。ありがとう-

-そうだ-

「なんすか?」

-相談というか、お願いなんだけど-

-今回のコンサート、一緒に出て歌ってくれない?-

「え」

**

「はあ? コンサートぉ?」

なんか似た反応を昨日もらった気がする、と、Aは夕食のマカロニサラダを口にしながら思った。

「まあ、別に? いいけど?」

ぐさり、と原の箸が人参を突き刺す。

「で? いつ?」

-三週間後の日曜日-

「ふうん……日曜日って午後ならうちの部オフだけど」

こてん、と首を傾げて原を見る。

「なにその顔。べつに行きたいなんて言ってないし。ちなみにどこでやるの」

-××市民会館-

「あっそ」

少し不機嫌そうに、原は白米をかき込んだ。