未来日記パロ(一部)4 ページ27
「殺すと言っても、お互いの姿が分かりませんが？」
別の所有者が質問をする。6th_髪の長い、少女のようなシルエットだった。他の所有者達と違って、ステージの上に行儀良く正座している。
「そこは自分の『日記』の情報から推測してもらうわ」
イエローの返答に、他の所有者達も成る程と頷いた。
「ゲームは相手の『正体探し』から始まるわけだね」
「バレれば殺される、か」
「そういう事」
要するにこのサバイバルゲームの基本は、他の所有者の正体を突き止め、《DEAD END》フラグを立てる。万一自分がフラグを立てられた場合は、奇跡に賭け死力を尽くして回避する。その繰り返しと言っても良かった。フラグは死亡の確定なのだから、原則としては、《DEAD END》フラグが立った時点で、その所有者の敗北も確定となるはずだ。《DEAD END》をひっくり返すのは並大抵の事ではない。ましてや《DEAD END》を回避するのみならず、フラグを立てた相手を殺し返すなんて事は……本来起こりえない展開であるらしい。
「あの時君は死ぬはずだった」
イエローが俺を見下ろし、はっきりとそう断言する。
「君はそれを殺し返したんだ。これは奇跡を超える『奇跡』」
違う……。その奇跡を引き寄せたのは俺じゃないんだ……。俺の左隣で何食わぬ顔をして立っている、影景。彼女が全てのお膳立てをしてくれた。俺はそれに乗っかっただけに過ぎない。買い被り過ぎだ。
「私は『本命』は君ではないかと思うよ。皆を殺して勝ち残るのは１ｓｔかもしれないね」
イエローの言葉に、他の所有者達が色めき立つ。極力動揺は表に出さないようにしているけど、俺に対する警戒と敵意、そして明確な殺意は嫌というほど伝わってきた。俺じゃない。俺は『本命』なんかじゃない！
「さぁ！このサバイバルゲームを勝ち抜いた最後の一人には、この私の後継、時間と空間を支配する『神の座』を譲ろう！」
両腕を大きく左右に広げ、イエローが高らかに宣言する。
「『死』か『生』か！」
１ｓｔ・陽斗＝スペア。２ｎｄ・影景＝スペア。そして脱落した３ｒｄを除く九人。
「残るは此処にいる『十一人』！」
４ｔｈ、５ｔｈ、６ｔｈ、７ｔｈ、８ｔｈ、９ｔｈ、１０ｔｈ、１１ｔｈ、１２ｔｈ。
「殺される前に殺せ！そして『神の座』を勝ち取ってみなよ！」
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次で終わります
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作者名：AK | 作成日時：2018年1月1日 5時
