家庭教師呼んだら推しが来た【ころん】

推しと気付いて2分目 ページ3

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「そう言えば家族は？仕事？」



嫌な所につかれた



まぁ後々、感づいてくれるとは思うけれど



『父は行方不明、その父を探すために出掛けて母は行方不明。生きてるかも分からないけど…お金はあるので…教育関係は親戚に頼ってます』



「…そっか」



ほら言わんこっちゃない



皆、本当の事とか秘密とか教えてほしいって言うけど結局は変な距離が出来るだけ



求めるものと結果は違うでしょ？



理想と現実は違うでしょ？



『…よし、次ここしましょ！』



「うん」



ほらあのカッコ可愛い笑顔が悲しい笑顔になったじゃん



愛想笑いになるなら隠しとけば良かった



『ぜ、全問正解…？』



「うん！おめでとう！はなまる」



けど単純思考らしい



有難い



『ふふ…あ、もうこんな時間』



「本当だ。じゃ、今日はこれで終わり！今度は来週かな？」



来週って…週5ぐらいで来てほしい←



「テスト期間とかだったら先に予約いれてくれたら立て続けに来れるから」



『ほ、ほんとですか！…じゃあさようなら』



「ん、ばいばい！」



ﾊﾞﾀﾝｯとゆっくり閉まったドア



『ふぅ…』



滅多に家に人が来ることは無かったので部屋は勿論汚かった。



そんな部屋を久しぶりに片付けたけれど殺風景に見えてしまう



『寂しいなんて言う年齢じゃないよなぁ…』



さっきまでのハイテンションは何処へ旅立ったのだろうか



『教えてもらった所の復習しよ』



スイッチを切り替えないと何も進まないから



なんて私が言える事では無いか









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「覚えてないか…」



ずるずると壁に寄りかかりながら座る



視界は涙でぐちゃぐちゃだ



いや、あの時、あの子に会ってから僕の世界はぐちゃぐちゃに壊されている



酷いのに嫌いたいのに壊したいのに、どうしても手が出なかった



好きとかそう言う人間らしい感情じゃなくて同情とかじゃなくて



あの子に忘れられた事が悲しいとか苦しいとかそういうことじゃなくて



きっと自分が一番自分を分かっていないなんて認めたくないわけじゃなくて



きっと、認められないだけ









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