量 産 型 ぽ た く 【 うらたぬき 】

てん ページ11

｢それにしてもやばかったね〜！｣

｢ほんとそれな！？距離近すぎてずっと心が大号泣｣

｢てかオキニだし認知されてたし？は？？幸せかよ｣

｢わかりみが深い...私今深瀬太郎だわ......｣

少し離れたところに来ただけあって、crewは店内に1人も居ない。

それでも絶対に名前は出さないように気をつけながら、できるだけ小さな声で話す。


｢てか結局Aオキニの塊だったじゃん！！｣

｢オキニの塊ってなに｣

頬を膨らませながら言うゆなに思わず笑ってしまった。


｢いやぁでも、出会い頭にバックハグはヤバいよね？｣

｢彼もやり手だねぇ｣

ねー、と顔を見合わせてからこちらを向いてにやにやするこころとしおり。


｢もー！うるさいうるさい！！ゆなだって膝の上乗ってたじゃん！｣

｢えへぇ、しあわせだった〜｣

｢こころもやばくなかった？付き合ってだいぶ経つカップルだよあれ｣

｢待って？しおりだけにはやばいとか言われたくない。あんたがダントツでやばいわ。｣

それはわかる。なんてったって熟年夫婦だったし。


｢わかる〜！なんか熟年夫婦みたいだった！！｣

｢それなそれな！！｣

ゆなと2人で顔を見合わせ、ねーって笑い合う。


｢てか、今思ったんだけどなんでしおりはあの方に招待されたの？｣

｢それ私も気になってた！｣

｢誰も触れてなかったから触れちゃダメなのかなって思って...｣

しおりがきゅっと顔をよせ、密話をするように話し始める。


｢実は、なんだけど...｣

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