鬼が好きな少女は。参

佰伍拾 ページ50

数年後

「無惨さん、ご飯ですよ！」
「あぁ」

無惨さんを起し、二人で席に座る。

「いただきます！」
「いただきます」


「家の外では月彦だ。間違えてはいけない」
「分かってます！」


私は二十三になり、無惨さんと結婚できた。



何度も生まれ変わって掴めた幸せ。


「A」
「はい……？」


顔を上げると優しく口付けられる。

「ちょ、無惨さん！ご飯中…」
「なんだ、聞こえない」


無惨さんも十八で死ななかった私に今までの想いをぶつけるかの勢いの為、毎晩とんでもない事になる。


「今日はAも私も休みだ」
「え、あ、はい」
「分かっているな？」
「以前言っていた、私を大切にしたいとか宣言は……」
「なんの事だ」


目を見開くと、笑われる。


「生活も安定してきた。そろそろいいだろう」
「え？」


フワッと抱き上げられる。

「無惨さん！！朝ごはん！！冷えちゃいます！」
「Aのご飯は冷えても最高に美味い」
「そこで褒めるのは反則です……！」


「A」
「そんな目で見られても…カッコイイですが…朝ごはんせっかく作ったので…無惨さんに食べていただきたくて」
「…………はぁ、全く、私はAには弱い」




無惨さんはまた私を席に戻す。


「食べてすぐだ」
「片付け…」
「……私が手伝う」
「洗濯物…」
「あぁ、私が手伝おう！！」


無惨さんの様子を見て笑ってしまう。


「ふふっ、無惨さん大好きです」
「……ふっ、覚悟しておけ」




無惨さんは嬉しそうにだけど、目を細めて妖しく笑った。





[完]

✲✲✲




無事完結致しました〜！！
なが、長かった！！


無惨さんとAさんは簡単には結ばれないって事を表現したくて、何度も生まれ変わらせました。
地獄での罪を償っても、それでもまだ足りない。そんな切なさを書きたくて。
結婚に至るまでの話も書きたかったのですが、まぁまぁ、長くなるので、もし書きたくなったら無惨様短編集にでも載せとこうかなと思ってます！



そして、今までの長い間一作目から応援してくださった読者様や二作目、三作目からの読者様本当にありがとうございました！！
沢山の評価、お気に入り、コメント、本当に励みになり、感謝の気持ちでいっぱいです。

無惨様の小説書いて良かったと本当に心から思えました！


長い間応援ありがとうございました！

これにて完結とさせていただきます。





ありがとうございました。

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