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佰拾漆 ページ17

私は捨て子では無い。
なぜお父さんは嘘をついたのだろう。

否、人間の頃の記憶が薄れて、私が物心着いた頃には忘れてしまったのだろうか。
でも、なぜ私は人間で居られたのだろう。

お父さんに聞いてみたいけど、お父さんはもう居ない。

お母さんは私とお父さんが消えてから酷く痩せてしまったらしい。あんなに骨が浮き出た手を見て心が痛かった。



「__A」


ふわりと頬を両手で包み込まれ、上を向かされる。


「…無惨さん、おかえりなさい!」

目の前に赤い瞳の無惨さん。
急いで笑顔を向ける。

「何を考えていた」
「あ、えっと、仕事したいなぁって思ってました!」
「嘘、他の男を考えていたな」

ふわりと無惨さんは上着を脱いで私を後ろから包み込むように抱きしめた。

「誰だ?人間の男か?」

耳元で低く囁く。
一気に体温が上がり、心臓が煩く鳴る。
背中がゾワゾワして、胸がきゅーんと締め付けられる。


「A」
「好きです、無惨さん」

一瞬ピタッと無惨さんが固まる。

「無惨さん?」
「A、それを言えば免れるとでも?」
「…無惨さんが耳元で言うからゾワゾワして、好きですって伝えたくなって……ごめんなさい……」

はぁ、とため息が聞こえた。
毎回私は判断を間違えて無惨さんを呆れさせてる気がする。


「本当に…」

無惨さんはギュッと私を抱きしめ、私の肩に顔を乗せていた。

「無惨さん、いつも失望させてしまって、ごめんなさい」
「……Aに失望なんてしない、するわけがない。ただ…」

「ただ?」
「Aが欲しいだけだ」
「私は無惨さんのものですよ」
「ふっ…本当に?」
「はいっ!本当です!」


無惨さんの笑い声が聞こえる。

「顔を真っ赤に染めて、降参したのはどこの誰だろうか」
「えっ?」

スっと無惨さんは私の寝間着である浴衣の帯を解いた。
そしてすぐに思い出し、浴衣を押えながら無惨さんから離れた。

「あっ!こ、降参です!!無惨さん!!」
「まだ何もしていない」
「帯、解きました!!」
「何も触れてない」

無惨さんは首を傾げて、笑う。

「まだ、【これから】だろう?」

楽しそうにジリジリと詰め寄る無惨さん。
心臓は物凄い音を立てている。
トンっと背中が襖に触れ、追い詰められた。

「まだ夜は長い。A?」

ニコリと美しく微笑む無惨さんはネクタイを緩め、ワイシャツの手首のボタンも外した。

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(プロフ) - へなさん» へな様…!今更だなんて!そんなそんな!素敵すぎるというお優しいお言葉…!拙い文にも関わらずそう言っていただけて本当に胸いっぱいです(*´-`*)長い物語でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました! (3月25日 1時) (レス) id: fe9b371b01 (このIDを非表示/違反報告)
へな - 今更ですが素敵すぎました! (3月24日 8時) (レス) @page50 id: 6adab414b4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ふわるさん» ふわる様、返信が遅くなってしまい申し訳ございません…!!そう言っていただけて光栄です〜!!(;▽;)そんなに褒めていただけてもう心中、喜びパラダイス状態です!!私も素敵な読者さまからコメントしていただけて幸せです〜!!ありがとうございます!! (8月26日 14時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
ふわる(プロフ) - 面白かったです!泣きました笑!なんでこんな良い作品が思いつくんですか!!!この作品に出会えてよかったです! (8月24日 1時) (レス) @page50 id: ca3f3ad930 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - あやめさん» あやめ様!そんなに褒めてくださるなんて…!ありがとうございます〜!!m(_ _)m無惨様をさらに好きになるきっかけを作る事ができて感無量です。゚(゚´Д`゚)゚。あやめ様の褒め褒め言葉に私はHPが急激に回復いたしました!!素敵なコメントありがとうございました!! (2021年2月3日 19時) (レス) id: c92cfbb025 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:秋栄 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年5月4日 0時

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