捌拾参 ページ33
黒死牟side
ある日、約束した稽古をする事になった。
「おぉ…なんか……黒死牟さんになった気分。」
Aは嬉しそうに私を見て言った。
「髪も高い位置に縛って、これ……えっと…」
「袴だ。」
「袴も着てるし!黒死牟さんだ!!」
そう言ったあと、Aはスンッと、真顔になる。
「…稽古を…始める…………。…ねっ、ねっ、どうどう?似てる??」
…
「…似ていない」
「そんなぁ…。」
Aはしょんぼりという言葉が、似合うような顔をした後、また笑顔に戻り木刀を構えた。
「自分で身を守れるように強くなりたいです。」
「……あぁ。」
私は刀を構えればあの方を怒らせてしまう為、何も持っていない。つまり素手だ。
「あれ……黒死牟さん…何も持っていないよ……?」
「……問題ない…本気でかかってこい。」
そう言うと、最初は迷っていたが、覚悟を決めたようで木刀を振り上げて走ってきた。
「遅い。」
軽く避けて、彼女の背中を軽く押す。
「わぁぁ!!?えぇえ!!?」
驚いたようなAの声がした後、倒れる音がする。
「……もう終わりか…?」
「ううん。まだまだ!」
Aは立ち上がってまた木刀を構えて、私を見る。
さぁ、どこから来る。
Aの瞳を見ていると、心が舞い上がっていく。
明らかな力の差を見せつけられながらも強い意志を持っている瞳。
「とりゃぁぁぁ!」
珍しいAの声に他の鬼達も集まってくる。
「Aちゃん頑張れ〜!」
「アイツを殺せ。A。」
「ひぃ……A様が…」
「ヒョッヒョッ……A様の髪を高く結んでいる姿も……いい!」
「お兄ちゃん!?なんでA、戦ってるのよ!怪我したらどうすんのよ!」
「そうだよなあぁ……怪我でもしたらあの御方が…」
全て避けていく。
しかし諦めずに木刀を振り回すA。
こんなAを見た事がなく珍しい彼女の一面を見たものだと思いながら、彼女を強く育てていつか戦ってみたいとも思った。
「背後ぐらいは絶対にとる!!」
Aは急に木刀を置いて向かってきた。
「…?」
周りの鬼達も何武器捨ててんだみたいな反応になる。
「A……なぜ木刀を置いた。」
「……っなぜって…当たらなかったら意味無いからっ……はぁっ…まずは、黒死牟さんのっ……背後をとるの!」
息が上がってきているAはそう言った。
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秋栄 - 李由華さん» おぉぉぉ!ありがとうございます!!続編は明日の0時ぐらいには出せればなと思っております!!深夜12時ぐらいにここに来ていただけたら、多分続編行けるはずです!!しっかりと期限までに出来るように努めてまいります!コメントありがとうございました! (2020年5月3日 13時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - 続編制作頑張ってください! (2020年5月2日 21時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - 鬼小夜千夢さん» アニメOPでも、少ししか映らないのにカッコ良さは際立って…もう無惨様は美しくカッコイイですよね!この作品でそう思っていただけたのなら光栄です! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - ひろかさん» 鳴女ちゃん本当に可愛いですよねっ(*´▽`*)私も大好きなんです! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
鬼小夜千夢 - 無、無惨様!死にそうなぐらいかっこいいし……あぁもう死にそう(//∇//) (2020年4月29日 17時) (レス) id: 998332dba8 (このIDを非表示/違反報告)
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