陸拾捌 ページ18
「君は鬼殺隊を今も恨んでいるのかな？」
彼は表情一つ変えずに言う。
「……鬼殺隊は恨んでないけど、お父さんを殺した人物は許せない……と思います…。」
「私の子どもたち……鬼殺隊はその日、君の言った山には向かっていなかったよ。」
「え…？」
彼は優しく微笑んだまま私の方を向いている。
「……それは……お父さんは鬼殺隊に、殺された訳ではない…？」
ドクッと心臓が脈打つ音がした。
「少なくとも私の子ども達は、君のお父さんを殺してはいないよ。」
……嫌な予感がする。あぁ……気づきたくなかった。知らないままで良かったんだ…深く知ろうと手を出したから…………。
無惨さん……。
無惨さんの事が分からない……私の父親を殺して、その娘である私に優しくするの……？
なんで服を買ってくれるの？父親代わりをしてくれるのなぜ？
「君は鬼舞辻無惨に洗脳されているんだよ。」
洗脳…。
「君は鬼舞辻無惨から離れた方がいいと私は思うよ。君は人間だ。」
弱々しく彼は私に手を差し伸べ私の手を包み込んだ。
温かくて、不思議と体がほわほわする。なんだろう。
「…無惨さんから離れたら、私……行くところなんてどこにも…」
「大丈夫。Aはもう、私の大切な子どもだよ。」
彼は私の頭をそっと撫でて言う。
大切な子ども……？
「えっ……？」
ボロボロと溢れ出した涙を、隣で彼を支えていた女性の方が優しく拭いてくれた。
「大丈夫。大丈夫。」
優しく何度も頭を撫でられて、私は心地よくてだんだん意識が遠のいていった。
＊＊＊
「…ここは…」
ゆっくり目を覚ますと、ふかふかの柔らかい布団に寝かされていた事に気付く。
【大丈夫だ。次の日の朝には私が隣に居るはずだ。】
無惨さんを思い出して周りを見渡すが綺麗なお庭が見えるのみ。無惨さんは居ない。
…昨日私の父親は無惨さんに殺されたってことを知った。
無惨さんに対して憎しみ、怒りが収まりきらない程溢れ出るのかと思っていたが、自分は意外にも冷静だった。
無惨さんに対して怒りや憎しみが完全にないとは言いきれないが……少なくとも自分はひどく落ち着いている。
「A」
襖が開いたと思えば心地の良い声が聞こえた。
「私の可愛い子ども達を紹介しよう。」
私は彼と、彼を支える女性の後ろを歩いた。
「お館様のおなりです。」
白髪の女の子達が言うと、一斉に庭に居た者達が跪いた。
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秋栄 - 李由華さん» おぉぉぉ！ありがとうございます！！続編は明日の0時ぐらいには出せればなと思っております！！深夜12時ぐらいにここに来ていただけたら、多分続編行けるはずです！！しっかりと期限までに出来るように努めてまいります！コメントありがとうございました！ (2020年5月3日 13時) (
レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - 続編制作頑張ってください！ (2020年5月2日 21時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - 鬼小夜千夢さん» アニメOPでも、少ししか映らないのにカッコ良さは際立って…もう無惨様は美しくカッコイイですよね！この作品でそう思っていただけたのなら光栄です！ (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - ひろかさん» 鳴女ちゃん本当に可愛いですよねっ(*´▽｀*)私も大好きなんです！ (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
鬼小夜千夢 - 無、無惨様！死にそうなぐらいかっこいいし……あぁもう死にそう(//∇//) (2020年4月29日 17時) (レス) id: 998332dba8 (このIDを非表示/違反報告)
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