伍拾弐 ページ2
鬼舞辻side
口内に広がるAの血。自分の乱れた髪、服、シャツについた血。
「……やってしまった。」
あの時黒死牟が背後にいなければ、今頃…。
思うがままにやってしまった。気づけば何度もAを噛み、血を流させ、しまいには押し倒して……。
童磨の所に行くとAが言った時頭が真っ白になった。
なぜ童磨の所に。
この前の押し倒されていた件忘れた訳ではないだろう。
童磨に罰を与えたとき、奴の心からAを喰いたいと思う気持ちが見えた事も一緒に全て思い出し、怒りが爆発してからは、早かった。
最後には【今の無惨さん怖いです!!…き、嫌いです!!】と言われてしまった。
嫌い。
怖い。
嫌い…嫌い…嫌い…
「あ゙あ゙ぁぁぁ……!」
頭を抱えて叫ぶ。嫌われた。せっかくここまで大切に大切に嫌われないようにしてきたのに。
あの私の呪いを解除した雑魚鬼を捜してやっと見つけて殺して、やっとやっと手に入ったのに。
彼女が嫉妬している姿も見れて、見捨てられるのが嫌だという事も言っていたのに。
「あぁ……あぁ……」
手に付いているAの血。
これがもう証拠。
自分はやってしまったのだと。
涙が溢れ、嫌がるAを傷つけて。
黒死牟に連れて行かれた。
「……あぁ…。」
手に付いている血を舐める。
愛おしい。
「……A。」
明日、時間を置いて謝ろう。
何を与えれば喜ぶのだろうが、何をすれば彼女から【好き】という言葉を貰えるのだろうか。
考えろ。
今は酷く腹が立つが黒死牟に任せておいた方がいい。
襖を開けて鳴女を呼ぶ。
「鳴女、堕姫を呼べ。」
「分かりました。」
「…鳴女、Aは何を与えれば喜ぶのだろうか。」
「……A様は無惨様の事を大変好いてらっしゃいます。……無惨様のお渡しになる物はなんでも……」
「…本当にAは私を好いているのだろうか……」
そう言えば
鳴女は驚いた顔で私を見る。
「……嫌いと言われた。」
「…」
鳴女が何か言おうとしていたが、私は部屋に戻った。
「青い彼岸花について……」
Aの事を考えると沈んでしまう為、必死に忘れる為に書物を読み漁ったが、
「……A。」
ふと顔を上げれば浮かぶのはAの顔で。
いかに自分がAの事ばかりだったのかがよく分かった。
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秋栄 - 李由華さん» おぉぉぉ!ありがとうございます!!続編は明日の0時ぐらいには出せればなと思っております!!深夜12時ぐらいにここに来ていただけたら、多分続編行けるはずです!!しっかりと期限までに出来るように努めてまいります!コメントありがとうございました! (2020年5月3日 13時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - 続編制作頑張ってください! (2020年5月2日 21時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - 鬼小夜千夢さん» アニメOPでも、少ししか映らないのにカッコ良さは際立って…もう無惨様は美しくカッコイイですよね!この作品でそう思っていただけたのなら光栄です! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - ひろかさん» 鳴女ちゃん本当に可愛いですよねっ(*´▽`*)私も大好きなんです! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
鬼小夜千夢 - 無、無惨様!死にそうなぐらいかっこいいし……あぁもう死にそう(//∇//) (2020年4月29日 17時) (レス) id: 998332dba8 (このIDを非表示/違反報告)
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