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◯両面宿儺
「いつの時代も変わらないものだな。」
月夜に二人で静かに。花見をして杯を交わした。
今宵は何故だか寒いです。空に、月に語りかける。
それはきっと彼が隣にいないから。
当たり前が今崩れたんです。どこまでも、
在るものだと勘違いをして。
何年も変わらない、いつの時代でも
代わり映えしない月と華で、一人静かに酒を飲み干す。
月には叢雲、花には風。朧身に隠れた月が澄ましていた。
◯夏油傑
「、、A、桜ついてるよ。」
そう言って貴方についていた桜を取る。
貴方が恥かしそうに笑って彼は
また来年、来ようか。そう言いあったのはいつの日か。
日々を磨り潰していった君との時間は、
何時でも愛が溢れていました。遠くに行ってしまう。
君の背中を君の命をつなぎとめることができずに。
この世界はとてもつまらないです。君が隣にいないから。
大切なものが零れ堕ちた。花弁は今日も舞う。
何処かで誰かが笑う。その陰には悲しんでいる人もいる。
影と光。私は今どっちに居るの?お天道様は見えてるらしい。
◯乙骨憂太
「、、ふふ、、あっいやなんでも、、綺麗だなって、、」
紅く頬を染めて私にそう言った彼。来年も再来年も!
みたいね。そう言いお互いに手を繋いで離さなかった
あの遠い日、今でも桜の香りがすると思いだす。
あの頃みたいに、笑いあいたかったよ。
独り残していかないで。簡単なことじゃ忘れられない。
君との時間は、一向に忘れられないかもしれない。
風鈴の季節、君は帰ってきますか?
▼忘れた。温もりを。
夕暮れに何もかもを置いていった。
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作者名:381 | 作成日時:2021年2月27日 9時